【玉ノ井親方 視点】大の里3連勝も内容は…無策過ぎた熱海富士

＜大相撲名古屋場所7日目＞熱海富士を寄り切りに破る大の里（撮影・井垣　忠夫）

　◇大相撲名古屋場所7日目（2024年7月20日　ドルフィンズアリーナ）

　3連勝と調子を上げてきた大の里だが、まだまだ相撲内容は物足りない。熱海富士戦も相手に助けられたような一番だった。簡単に左上手を許し下手も取られた。幸い相手が慎重になって動かなかったため、右四つ半身の体勢から左をあてがいながら前に出て寄り切った。

　一見、快勝のようだが熱海富士が無策すぎた。小手に振ったり投げを打って前に出たりするなどして少しでも大の里が嫌がることをやるべきだった。相手に右肘を張られて投げが打ちづらくなっていたのかもしれないが、チャンスを自ら潰したようなものだった。

　今場所の大の里は相手に研究され先場所のような相撲は取りにくくなっている。後半戦は大関、横綱戦が続く。もっと立ち合いのスピードを上げて、右を差して一気に前に出る相撲を取らないと、苦戦は免れないだろう。（元大関・栃東）