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【浜田剛史の目】自ら打ち込んでダウンを奪った天心 世界ランク上位の力ある

スポニチアネックス / 2024年7月20日 21時58分

<ダブル世界戦>3回、ロドリゲス(右)に左ストレートを見舞う那須川(撮影・島崎忠彦)

 ◇プロボクシング54.4キロ契約ノンタイトル戦(2024年7月20日 東京・両国国技館)

 那須川は倒せるボクサーであることを証明した。相手のロドリゲスは本来、攻撃的な選手だが、那須川のキレのある動きを警戒し、慎重にガードを固めてきた。その相手に対し、自ら打ち込んでダウンを奪い、勝ったことは高く評価できる。

 転向1戦目、2戦目では相手のパンチを外して打つことや相手の打ち終わりに合わせて打つセンスの良さは存分に見せた。前回の3戦目からは相手の力を利用してではなく、自分から攻めることをテーマに取り組んできた。前回はダウンまでは奪えなかったが、今回は世界4位の相手をしっかり倒した。

 パンチ力は確実に上がっている。踏み込んで、体重を乗せたパンチが打てている。研究熱心な選手で、よく練習もする。普通は練習でできても、なかなか試合ではできないものだが、試合で出せるのが那須川のいいところ。成長は予想以上に早い。既に世界ランクの上位に入る力はあるだろう。何らかのタイトルマッチを戦う準備は整ったとみていい。

 中谷は独り舞台だった。相手は中谷の圧力で距離をつめられないまま、ボディー一発で沈んだ。バンタム級に上げて減量苦から解放されてパワーが増し、パンチが強くなっている。4人の日本人バンタム級世界王者の中で頭一つ抜けた存在だ。(帝拳ジム代表、元WBC世界スーパーライト級王者)

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