「GLORY93」原口健飛は王者の牙城崩せず 判定負けで日本人初戴冠逃す
スポニチアネックス / 2024年7月21日 9時1分
◇GLORY93 ペットパノムルン・キャットムーカオ-原口健飛(2024年7月20日 オランダ・ロッテルダム)
国内の格闘技イベント「RISE」で活躍している原口健飛(けんと、26=FASCINATE FIGHT TEAM)が、GLORY世界フェザー級王者のペットパノムルン・キャットムーカオ(29=タイ)に挑戦し、0-5で判定負けした。原口の戦績は26勝(17KO)4敗1分けとなった。
21年11月と22年8月に対戦し、いずれも判定負けを喫していた相手とのタイトルマッチ。前日の会見では「オランダに来るため、日本で強くなって成長してきた。強くなった自分でここに来れたので、すごく楽しみにしているし、めちゃめちゃ興奮している」と手応えを口にしていたが、ペッチの愛称で知られる王者の壁は分厚かった。
仲間たちがメッセージを書き込んだ日の丸をセコンドが携えて入場。勝てば日本人初のGLORY王者となる一戦で、1Rは積極的に手数を出した。多用したカーフキックを的確にヒットさせ、終了間際にはスピンキックも繰り出した。オープンスコアでは3人がペッチ、2人が原口を支持。まずまずの滑り出しとなった。
2Rは開始早々に左前蹴りを顔面に打ち込んだ。だが、ここから王者は攻勢を強めた。原口は絶えず前に出て来る相手の左右のパンチ、首相撲からの膝蹴りを浴びる場面が増えた。手数は一気に減り、ジャッジ5人はいずれもペッチの10-9とした。
王者に傾いた流れは変えられなかった。接近戦では王者が上手。4Rには飛び膝蹴りを当てる場面もあったが、3、4Rとも全てのジャッジが王者優勢と捉えた。5Rは最後の力を振り絞って前に出たが、大きなダメージは与えられない。王者は無理に前には出ず、原口にとっては無念のゴングが打ち鳴らされた。
昨年は3戦3勝3KO。満を持しての挑戦でも三たび屈した。圧倒的な判定で8度目の防衛に成功したペッチは「彼はどんどん経験を積んで強くなっている。最高に楽しい試合だった」と王者の余裕を漂わせた。
大会をライブ配信したU-NEXTで解説を務めた元K-1プロデューサーの中村拓己氏は「ペッチは(カーフキックを受けて)足を引きずっていたので、爪痕は残せた」と原口を評価しつつも、王者との差について「ペッチは試合運びにうまさがあった」と語った。
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