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中村俊輔氏が欧州選手権総括 崩しの“トレンド”体現 17歳ヤマルのドライブクロス

スポニチアネックス / 2024年7月22日 5時2分

中村俊輔氏が絶賛するスペイン代表ヤマル(左から3人目)のキック(AP)

 【月刊中村俊輔 7月号】22年シーズン限りで現役を引退し、現在はJ2横浜FCのコーチを務める元日本代表MFの中村俊輔氏(46)がサッカーの魅力を語り尽くす「特別企画中村俊輔」。7月号は24年欧州選手権を総括。戦術のトレンドや史上最多4度目の優勝を飾ったスペイン代表FWラミン・ヤマル(17=バルセロナ)の凄さに迫った。(取材・構成 垣内 一之)

 「チーム戦術ではないと思うけどそれに取り組むチームも出てきて、自分も(監督だったら)取り入れたいなと思った」。スペインの4度目の賜杯獲得で幕を閉じた24年欧州選手権。忙しい合間を縫ってチェックした俊輔氏はある“トレンド”に目を引かれたという。

 「(イングランド)プレミアリーグでも多いけど、大会全体を通じて、ペナ角(ペナルティーエリアの角)のところから、かなりインスイング(のクロス)が入っていた。“はめ技”じゃないけど、あれはDFがかなり守りづらい」

 インスイングとはボールの回転によってゴールに近づく方向に曲がるキック。俊輔氏自身も得意としたプレーで、利き足で、利き足と逆サイドから蹴るボールは特に効果が高いとされる。

 現代サッカーの攻撃ではゴールの正面を除いた左右のエリア、いわゆる「ポケット」の攻略が定石だ。ただ俊輔氏は「どのチームもいろんな戦術がある中で、ポケットに進入されてもストッパーがつり出されないで、ボランチがついて行くとか、トップ下の選手が戻ってきたりとか、免疫ができつつある」と指摘。その中で2次攻撃として流行しつつあるのが「崩しきれない中で(サイドを変えたり)もう一回やり直さなくていいのが、このペナ角からのインスイングと、ペナ角のワンタッチのセンタリング」という。

 そのインスイングを武器に、準決勝のフランス戦で16歳362日の大会最年少得点を記録するなど活躍したのがヤマルだ。最近では日本代表MF久保、バックアップメンバーとしてパリ五輪出場に備える山田楓喜(23=東京V)も得意とするキックだが、ヤマルは2人の横回転と違い、球質がドライブ回転で「ボールが上から降ってくるから、センターバックの背後の選手を誰も見られない。センターバックは自分の前の選手をマークする。その後ろの味方のサイドバックは、自分のマークに付いているから、そこに誰かがスッと入ってくると、ファーポストにドンと行かれる」という。

 「ヤマルはそもそもキックの感覚と質は高いけど、横にドリブルしながらも蹴れるし、全力疾走で斜めにドリブルできる。視野も広いし、あのポジションで本当にぴったりというか、特化したプレーで、それがチームにもはまっている」

 大岩ジャパンが出場するパリ五輪でもインスイングから多くのゴールが生まれるかもしれない。

 ▽ヤマルの欧州選手権 スペイン代表の一員として1次リーグ第3戦のアルバニア戦を除く6試合に先発し、準決勝フランス戦では16歳362日の大会最年少得点を記録するなど大会を通じて1得点4アシストをマークし、母国優勝の立役者となった。大会中に中学(スペインでは4年制)の宿題をする姿も話題を呼び、7月13日に17歳の誕生日を迎えた。

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