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デルマパンゲ(2)笑い飯・西田にもらったM―1への金言「ウケないと話にならん!ウケたうえで中身」

スポニチアネックス / 2024年7月22日 13時33分

最後のM―1グランプリへ気合を入れるデルマパンゲの広木英介(左)と迫田篤

 個性派コンビ「デルマパンゲ」。迫田の圧倒的な発想力と、それを包容する広木の人間力が絶妙にバランスをとっている印象だ。最後のM―1グランプリでもちろん目標は優勝だが、少なくとも爪痕は残す覚悟を示した。

◆全く意味のない造語“デルマパンゲ”を付けた意味とは?◆

 ―元々は高校の同級生?

 迫田「高校の時はお互い知ってるぐらいの感じで、大学に入ってから距離が縮まったんですけど、その前にぼくが違う人とコンビみたいなのを組んでて」

 ―そうなんですか?

 迫田「バンドやっててる友達が、ライブのつなぎ役としてなんかしゃべって、と言われたんです。別に漫才というわけでもないんですけど、なんかコンビ名考えたほうがいいなとなって、付けたのがデルマパンゲでした。全然意味のない言葉で、語感だけでつけたんですけど、芸人同士で話してたり、こういう取材を受けたりしたときに、“デルマパンゲさんは”とか言われるんですけど、こんな言葉ないのに言っとるわ、と思いますね。ときどき“デルマは”、とか言われて、略しとうやんとか思います(笑い)」

 ―ぼくも、まんまと言ってますが(笑い)。大学を卒業して大阪に来られるんですね。

 迫田「いや、そう単純じゃなくて。ぼくは高3のとき、東京のNSCに行こうとしてたんです。でも、親が大反対ですっごいモメて、家庭がくちゃぐちゃになって。一時は思いとどまるんです。でも、大学行けば4年間で、もしかしたらパン屋さんになりたいとか、学校の先生になりたいとか、新たなものが出てくるかな、と思ったんです。ところが芸人になりたいという気持ちは膨らむ一方で」

 ―なるほど。

 迫田「頭下げて大学行かせてもらってるのに、やっぱり芸人に、とか言ったら本当にヒドいことになると思ったんです。だから就職でもして、お笑い目指せばいいや、と思ったんです。そしたら就職決まって配属先が大阪になったんです。あれ、おまえ就職活動してないよね?」

 広木「ぼくは大学が楽しくて、遊んでばかりいたら就職とかも全然する気がなくなったんです。どうやったら楽しく過ごせるかなあ?と思った延長が今なんです。で、先に大阪に行って、待ってました(笑い)」

 ―劇場付きになるのはいつくらいですか?

 広木「2013年くらいですかね。ようやくコンスタントに出られるようになって。翌年くらいに単独ライブを初めてするんです。何の制約もなく自由にやれるというのがすごく楽しかったですね」

 迫田「ぼくはあんまり覚えてないんですよね。夜勤のバイト明けで、なんかボーっとしながらやってたからだと思うんですが」

◆早くお笑い一本で生活したい!◆

 ―何のバイトをされてたんですか?

 迫田「マンションの住人が夜中にトラブった時に業者を手配するみたいな仕事でした。1年くらい。カギなくしたとか、ガラス割れたとか。みんなパニックで怒ってるんですよ。夜中にギャーギャー言ってるヤツとしゃっべって、精神状態は良くなかったですね」

 ―けっこうバイトはやってるんですね。

 迫田「今もちょろちょろやってます。したくないですけど、どうしても抜け出したいというわけでもなくて。おまえは違うか」

 広木「おれはいやよ。めちゃくちゃいや」

 ―ちなみにどんなバイトをされてるんですか?

 広木「デリバリーです。配達先で、劇場行きました!とか声かけてくる人とかいるんですけど、やめてって感じで(笑い)。軽く会釈をするか、どうも!と行ってサッと帰ります」

 迫田「ありがとう!って言えよ」

 ―(笑い)今年はM―1最後の年ですね。

 迫田「頑張りたいですね。それを目指して漫才始めたところはあるから」

 広木「マストで、やっぱ決勝へ行かないといけないですね。周りも行ってるから、自分ら次第で行けないわけではないというか。やれば行ける!という気持ちは持ってます」

 迫田「テレビでなんかやりたいです。全国区の放送で、みんなが見る番組の中で4分間、例えばずーっと黙ったら大変じゃないですか」

 ―?? た、大変ですね(笑い)。

 迫田「優勝もできないんですけど、そんなやつ、世間がほっとかんでしょ?なんだアイツは!って」

 広木「そのまま終わるって。一生テレビ出れん」

 迫田「なんかやりたいです」

 広木「いや、やめてね」

 ―デルマさんの場合、研ぎ澄ますことができたらすごくいいネタができるのかなと思うのですが、どうでしょうか?

 迫田「モノによりますね。いい形の場合もありますが、研ぎ澄ませたら何も残らないときもあるし」

 広木「ハハハハ」

 迫田「ムダなダラダラがあったから良かったんか、という時もあるんですよねえ」

 ―漫才は難しいですねえ。それは客席の雰囲気とかもあるのでしょうか?

 広木「寄席のお客さん、ぼくらが主催のイベントのお客さん、M―1のお客さんでそれぞれ違うんで、ここでウケたけど、あっちはウケないとかいっぱいあるんで。全部でウケるのが一番いいんですけどね」

 ―なるほど。舞台は生き物ということですね。ただ、M―1に関しては結果がすべて。これまでは準々決勝が最高です。

 広木「準々を超えんと、何も始まらない。ここで終わったら絶対先細るんで。笑い飯の西田さんにも言われましたけど、とにかくウケんことには話にならんから。ウケたうえで中身、と言われたことはありますね」

◆漫才師こそが全仕事で最も効率のいい職業!?◆

 ―M―1ももちろんなんですが、今後コンビとしての将来像はどういう風に思い描かれてますか?

 迫田「どうやら漫才は一番効率がいいんです。たまにテレビとかも出させてもらいますけど、何日も前から打ち合わせをして、アンケート書いて、リハーサルしてとか、で、何分間か出るんですが、もちろんその効果は絶大ではあるんですけど、コントの場合は台本を出したりして、小道具作って、重たいもの持ってきて。それすべった日には悲しいやろな、とか思うんです」

 ―(笑い)

 迫田「漫才は当日に5分か10分しゃべって終わり。こんないい仕事ないんです」

 広木「ハハハハ」

 迫田「自分たちしかおらんくて、誰も入ってこないし、その時間は会場の人、みんなこっち見とるやないですか。全仕事で一番いいと思うから、もっとみんな漫才やったらいいと思うんですけどね」

 広木「時給とかで考えたら5分しかしゃべってない(笑い)」

 迫田「毎日これだけならホントにいいな、と思いますね」

 広木「それをやるためには、M―1を頑張らんといかんのよね」

 迫田「そうね。説得力のためにね」

 広木「M―1さえ獲れたら全心配事が取り払われるので」

 迫田「チャンピオンになって、最低1年のホカホカを約束されたいです」=終わり

 【取材を終えて】お笑いの原則が「緊張と緩和」であるとするならば、迫田が放つ緊張感は相当だ。醸し出す雰囲気、飛び出す言葉の意外性。あとは、お客さんをどう緩和に誘うか。2人がリスペクトする笑い飯はこの落差がすさまじかった。だからこそ爆発的な笑いを生むことができた、と個人的に思っている。

 出てきただけで客席をピリっとさせる空気感を作ることは誰でもできることではない。その素養は十分にある2人。M―1でもきっとノーマークだが、盟友・ミルクボーイのようなジャイアントキリングを本気で期待したい。(江良 真)

 ◇結成15年を記念した単独ツアー「デルマパンゲの((巨爆笑))ツアー~猛暑の大阪編~」が22日、大阪・難波のよしもと漫才劇場で開幕する。M―1へ向けて最後の仕上げとなるツアー。8月16日は東京・よしもと∞ホール、9月20日は福岡・福岡市民会館小ホール、10月12日は愛知・大須演芸場で開催。 

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