西日本短大付 エース村上が「笑顔」で決めたファイナル進出「チームで勝てた勝利。とてもうれしい」

＜西日本短大付・近大福岡＞3時間を超える熱戦に勝利して笑顔の村上（右）（撮影・杉浦　友樹）

　◇第106回全国高校野球選手権福岡大会準決勝　西日本短大付4ー3近大福岡（2024年7月22日　北九州市民）

　2021年以来3年ぶりの出場を目指す西日本短大付は延長10回タイブレークの末に近大福岡を4―3で振り切った。エースの村上太一（3年）が2回1失点の粘投で貢献した。

　笑っていた。楽しんでいた。延長10回タイブレーク。1点差に迫られた西日本短大付の村上だったが、最後はスライダーで遊ゴロに打ち取った。3時間12分の激闘を制し「チームで勝てた勝利。とてもうれしい」と1メートル84の長身右腕は声を弾ませた。

　4回に先制されるなど序盤は相手ペースだった。2―2の8回1死満塁で勝ち越すことができず西村慎太郎監督は「流れをまた変えたい」と村上を左翼からマウンドへ上げた。9回1死一、二塁のサヨナラの危機は「エースが崩れたら終わり」とスライダーで連続三振にしのいだ。

　2年生の活躍が刺激になっている。1点を追う7回1死二塁は内野安打の間に相手守備の隙を突き、1番・奥駿仁の好走塁で同点に追いついた。延長10回は6番・斉藤大将の内野安打で勝ち越し。村上は「2年生のおかげで勝っている試合が多い。決勝は自分たちが勝利に導きたい」と腕まくりした。

　決勝は福岡大大濠に決まった。昨秋は5回戦で3―4でサヨナラ負け。今春も5回戦で4―6と敗れた因縁の相手だ。「打倒大濠でやってきた。3度目の正直で倒したい」と目をギラギラさせた背番号1。3年前のエースで筑後リバーズの先輩にもあたる大嶋柊（九産大）に憧れて進んだ西短。帽子に「必笑」と書いている背番号1は勝って笑って聖地に行く。　（杉浦　友樹）