青森山田が春夏連続切符 エース・関がピンチで覚醒!152キロ斬り 自己最速更新の8回2失点
スポニチアネックス / 2024年7月23日 5時2分
◇第106回全国高校野球選手権青森大会決勝 青森山田4-3弘前学院聖愛(2024年7月22日 弘前市運動公園)
最後は直球と決めていた。9回2死二、三塁。青森山田のエース・関浩一郎(3年)は右腕を強く振った。3球三振。9個目の三振で7年ぶり12度目の甲子園切符をつかんだ。空に両腕を突き上げる。努力の日々が胸に去来し、涙があふれた。
絶体絶命のピンチがエースを覚醒させた。2番手で救援登板した2回は力みもあり3連続四死球で無死満塁。「感じたことのない重圧だったが、最後まで自分の球を信じた」。剛腕がうなり始める。相手の1番の4球目に自己最速を3キロも更新する152キロを計測。1死後に内野ゴロの間に1点は失ったが、最少失点でしのいだ。
最後は運も味方に付けた。2点リードの9回2死一、三塁。相手の4番に左翼線に運ばれて同点かと思われたが、打球がフェンスの間に挟まってボールデッドとなり二塁打。一塁走者はスタートを切っていたが、三塁止まりとなり「本当に助かった」と振り返った。8回2安打2失点。マウンドに立ち続けた。
実力だけでは勝てないのが高校野球。チームは今春から「運も味方に」を合言葉に日常生活を送る。そのために各自が自覚を持って生活し、関も「部屋をきれいにするところから始めた」と言う。6回は佐藤洸が内野フライかと思われた打球がファウルとなると、その後に逆転満塁弾。投打で運を味方にした。
八戸学院光星・洗平比呂(あらいだい・ひろ=3年)や八戸工大一・金渕光希(3年)ら好投手が豊富な青森を勝ち抜き、春夏連続となる夢舞台への切符をつかんだ。「自分が一番と証明できた」と関。甲子園はヒーローの出現を待っている。(村井 樹)
◇関 浩一郎(せき・こういちろう)2007年(平19)3月8日生まれ、青森県出身の17歳。篠田小5年から野球を始めた。沖館中では青森戸山シニアに所属。青森山田では昨秋から背番号「1」。憧れの選手はオリックス・山下。遠投115メートル。1メートル87、92キロ。右投げ右打ち。
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