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小原乃梨子さん死去 優しい人柄 現ドラえもん、のび太声優に伝えた感動の言葉とは…

スポニチアネックス / 2024年7月23日 18時5分

小原乃梨子さん(2011年撮影)

 アニメ「ドラえもん」野比のび太役、「ヤッターマン」ドロンジョ役で知られる声優・小原乃梨子(おはら・のりこ、本名・戸部法子=とべ・のりこ)さんが12日、死去した。88歳。東京都出身。葬儀・告別式は親族で営まれた。

 小原さんは高校卒業後、草創期のテレビ業界に入り、ドラマなどに出演。結婚後に子育てのために時間がやりくりできることから声優に転じた。1966年「ハリスの旋風」(フジ)、67年「魔法使いサリー」(日本教育テレビ、現テレビ朝日)などに出演。74年に「アルプスの少女ハイジ」(フジ)でハイジの友達で羊飼いのペーター役、75年から始まった「タイムボカン」シリーズでは「ヤッターマン」のドロンジョなどを担当。子分の失敗をとがめるセリフ「スカポンタン」は子どもたちの間でも当時よく使われた。79年に「ドラえもん」(テレビ朝日)でのび太役の声を務め、05年まで26年間担当した。

 優しい人柄で知られた小原さん。「ドラえもん」は2005年で声優陣が一新されたが、小原さんは次世代の声優たちを温かなまなざしで見守り続けた。

 映画「ドラえもん」シリーズ35周年を記念し、2015年に都内で開催された「ドラえもん映画祭2015」で行われたトークショーは関係者の間で今でも伝説のシーンとされている。

 小原さんはドラえもんを継いだ水田わさび、のび太を継いだ大原めぐみとともにステージに上がった。水田が「やっぱりネット社会で触れたくないものも見てしまうし、電車に乗っていても隣で私のことを言っていることがずっと続いていて…」と国民的キャラクターの声を新たに担った当時のつらさを涙ながらに振り返ると、小原さんは「どうせ聞こえてくるのは、前の方が良かったっていう声。新しいものが始まった時はどんな番組でも洗礼を受けるものです」と寄り添った。

 そして、声優陣の交代からちょうど10年のタイミングだったことを念頭に「10年続いたらホンモノっていうんです。だから、ホンモノでしたね」とねぎらった。

 この言葉に水田も大原も涙を流し、客席でもハンカチで目頭を押さえるファンが続出した。

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