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貴景勝 大関陥落の大ピンチ…横綱&大関戦残し5日間で4勝が必須 「準備してやるだけ」

スポニチアネックス / 2024年7月24日 4時16分

阿炎(左)にはたき込みで敗れ、ガックリの貴景勝(撮影・椎名 航)

 ◇大相撲名古屋場所10日目(2024年7月23日 愛知・ドルフィンズアリーナ)

 カド番の大関・貴景勝が阿炎に敗れて6敗目を喫した。大関の地位を守るには残り5日間で4勝が必要。まだ横綱や大関との対戦を残しているため、極めて厳しい状況に追い込まれた。2差単独首位の横綱・照ノ富士は霧島を退け、全勝優勝した21年九州場所以来の初日から10連勝。2敗勢では大関・琴桜が勝って勝ち越しを決め、平幕・美ノ海は3敗に後退した。

 貴景勝の表情が一変した。阿炎を一気に押し出したかと思われたが、物言いがついて行司軍配差し違え。協議の説明を聞いて負けが分かった瞬間、眉間にしわを寄せて無念の思いをにじませた。それでも支度部屋では「負けは負けです。自分がダメだった」と冷静に振り返り、悔しさを押し殺した。

 8日目から本来の相撲を取り戻し、2日連続で電車道の快勝。この日も一方的に押し込む内容だったが、土俵際でのはたきに前のめりに落ち、徳俵の上に左足一本で残った相手に白星をさらわれた。

 過去7度経験したカド番脱出のうち、10日目での6敗は自己ワースト。それでも「今までやってきたことしかできない。準備してやるだけ」と前を向いた。

 昨年は両膝のケガと闘いながら休場も優勝も経験。今年は慢性的な首の痛みと闘う日々だ。土俵人生最大の試練に立ち向かう今場所前、若手の活躍で世代交代が進む現状に「このままでは終われない」と強い気持ちを口にしていた。残り5日間。優勝4回を誇る精神力の強い大関は、いばらの道でも突き進んでいくしかない。 (前川 晋作)

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