子供にふさわしくないと…人柄がにじむ小原乃梨子さんの「スカポンタン」

小原乃梨子さん(左)とドロンジョ

　◇小原乃梨子さん死去

　26年間にわたってのび太役を演じた小原さん。その人柄を知るアニメ関係者は「おしゃべり好きで社交的。のび太を地でいくような穏やかな部分もある人でした」と回想。当時の人気声優が集まったドラえもんの主要キャストの中で潤滑油的な役割を果たしていたといい「小原さんがいたから、いいチームワークを保つことができた」と振り返った。

　人気アニメ「ヤッターマン」では、小原さんの人柄がにじみ出た決めぜりふもあった。ドロンジョが部下を叱責（しっせき）する際に使った言葉「スカポンタン」。元々は「バカ、ドジ、マヌケ」といったせりふだったが、罵倒するのは子供向け番組にふさわしくないと考え「スカタン」と「アンポンタン」を合わせて柔らかい言葉にした。当初は一度きりのアドリブのつもりだったが、その翌週の台本にも「スカポンタン」と書かれていたという。

　関係者は「せりふのニュアンスや現場の雰囲気がお茶の間にどう伝わるかまで考えていた」としのんだ。