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全セ阪神・桐敷 初球宴で真っ向勝負 1回3安打1失点、魂の25球 被弾も悔いなし

スポニチアネックス / 2024年7月25日 5時30分

<全パ・全セ>7回を終え、山本(右)と言葉をかわす桐敷(撮影・須田 麻祐子)

 ◇マイナビオールスターゲーム2024第2戦 全セ10―16全パ(2024年7月24日 神宮)

 「マイナビオールスターゲーム2024」は24日に神宮球場で第2戦が開催され、3年目で初出場した全セの桐敷拓馬投手(阪神=25)が1回25球の1失点で終えた。前半戦はチーム最多でリーグ2位タイの41試合登板のフル回転。1本塁打を含む3安打を浴びても初の祭典を堪能し、大混戦の優勝争いが再開する後半戦へ弾みをつけた。

 球宴の舞台で力勝負を挑みたくなるのは、投手のさがなのかもしれない。乱打戦の7回に登板。桐敷は普段なら混ぜるカウント球のスライダーやツーシームを封印した。先頭の岡に4球続けてソロを打たれても決めたスタイルを貫いた。

 無死一塁では4安打で5打席目を迎えた近藤と対し、11球中10球で直球を投げた。最後は146キロで二ゴロ併殺。1回3安打1失点の初陣は、内容以上に充実していた。

 「ちょっと打たれちゃったんですけど、まっすぐで、ちゃんと勝負できてよかった」

 出番がなかった初戦のあと、岩崎から「何か変わったことをやってくれるんじゃないですか」とむちゃ振りをされ、考えた。「僕が投げるのは7回か8回。最後はマルティネスでしょ?そこにつなげるように、いつも通り投げる方がいいのかなって」と心中を吐露。出した答えは、祭典でしかできない真っ向勝負だった。

 北海道に滞在した前日までの2日間で近本、中野、岩崎、才木と食事に出かけた。同じチームとはいえ交流が少ない野手と親睦を深めた。「近本さん、中野さんと初めて食事したかな」。海鮮料理を楽しみながら、「近本さんはアニメ好きで、中野さんは韓流ドラマ好き」という豆知識を入手。結束力を高める貴重な時間になった。

 前回の神宮マウンド、6月30日のヤクルト戦で苦い思いをした。8回に5点を奪われ4点差をひっくり返され、岡田監督が救援投手の準備に不備があったとして投手コーチを叱責(しっせき)した試合だ。8回の頭から投げて「僕が火種になった」と責任を感じた。敗戦の引き金を引く救援は実質、今季初めて。いい教訓になった。

 「今までなら、こうすれば良かったと何度も思い出して引きずっていたと思う。あの後、仲間にも切り替えが大事と言われた。あれから、次、次と考えられるようになった」

 足踏みせず前へ。その積み重ねが、前半戦のリーグ2位の41試合登板と27ホールドポイントの成績に表れた。後半戦も勝ちパターンを託される。岡田監督には「スゴく見てもらっていると感じる」と敬意を抱く。昨年はフレッシュオールスターを見て救援陣の一角に引き上げられ、今年は監督選抜で球宴出場に導いてくれた。これから「恩返し」が始まる。(倉世古 洋平)

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