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有田工が2年ぶり3度目の夏切符 春はベンチ外…逆境のエース石永が投げ勝った

スポニチアネックス / 2024年7月25日 5時33分

<有田工・鳥栖工>優勝を決め、人差し指を天に突き上げる有田工・石永(左から2人目)

 ◇第106回全国高校野球 佐賀大会決勝 有田工2―1鳥栖工(2024年7月24日 佐賀県立)

 第106回全国高校野球選手権(8月7日開幕、甲子園)の出場を懸けた地方大会は24日、各地で行われ、佐賀は、有田工が2―1で鳥栖工を下して2年ぶり3度目の出場を決めた。

 その瞬間、有田工の背番号1・石永煌希(3年)は一瞬で囲まれ、見えなくなる。ただ突き上げた人さし指は一番上にあった。逆転でつかんだ2年ぶり3度目の甲子園は半年前は背番号20だった男の逆転劇でもあった。

 「(5月の)NHK杯で松延に負けた。松延を倒すと言っていた。最後まで自分が抑えようと投げました」

 4回2死満塁では押し出し四球で先制される。5回2死満塁、ベンチを見た。「俺が投げていると思え」と大会前に地元・陶山神社のお守りを託してくれた梅崎信司監督の合図に勇気が湧いた。ここを切り抜け、直後に逆転。145球で県内屈指の鳥栖工・松延に投げ勝った。

 優勝した昨秋県大会は背番号20で出番なし。春はベンチ外だった。球はいいが、心が弱かった。自ら課した練習後ランニング20本を19本にごまかし、授業中の私語や居眠り。梅崎監督に「(1本)足りないぞ。うそをつくな。野球より生活態度だ」と注意され、意識改革。今夏、選手間投票で夢に見たエースナンバーをつかんだ。

 2年前の夏は新型コロナウイルスの集団感染で大会8日目の登場。抽選会や開会式もなかった。当時はスタンドで応援していた石永は「先輩ができなかった1勝をつかみたい」と最高の夏にすると誓った。 (福浦 健太郎)

 ≪“足攻”決まった≫

 ○…有田工の“足攻”が決まった。好投手の松延に対し、5回無死一塁で送らず二盗。今度こそバントと思われた無死二塁ではエンドランで二死三塁とし、逆転につなげた。梅崎監督は「送って1死二塁では松延君はギアを上げる。バントだと思って投げた球は打てる可能性がある」と奇襲成功にニヤリ。昨年7月19日の3回戦(対唐津西)当日、父・廣伸さんが、71歳で急逝。合流は試合前ぎりぎりになり、コールド負けした。1年後の歓喜に梅崎監督は「いい報告ができました」とほっとした表情だった。

 ≪来夏こそ…≫昨夏は兄・晶音(あぎと)さんとバッテリーを組み、歴代ライダーと同名で仮面ライダー兄弟と話題になった鳥栖工・松延響(ひびき、2年)は決勝で涙をのんだ。兄からは前日「あと1試合頑張れ」とLINEで励まされ、中1日でも自己最速に1キロと迫る最速144キロを計測。ただ、相手の機動力に揺さぶられ、5回に逆転を許し「簡単にいきすぎた」と涙が止まらなかった。ドラフト候補としても注目される来夏へ「絶対、自分が甲子園へ連れて行く」と言葉は力強かった。

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