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【玉ノ井親方の視点】優勝争いは分からない展開になった。照ノ富士は迷っているようだった

スポニチアネックス / 2024年7月27日 19時49分

<名古屋場所14日目>隆の勝(右)の強烈な右のど輪でのけぞる照ノ富士(撮影・長嶋 久樹) 

 ◇大相撲名古屋場所14日目 ○隆の勝(寄り切り)照ノ富士●(2024年7月27日 ドルフィンズアリーナ)

 横綱の異変は仕切りの時から感じられた。いつもであれば、制限時間がいっぱいになって、赤房下で汗をふいた後に、花道の奥に控える付け人に気合の入った顔を見せる。

 だが、この日はそれがなかった。何か迷っているような様子だった。

 案の定、立ち合いでいきなり相手の右をたぐりにいく、いつもなら絶対にやらないような相撲を取った。当たり方が中途半端で威力がなく、左に体勢が傾いた。そこを隆の勝に右喉輪で押し込まれ、上体が浮き上がる。そのままいっぺんに土俵の外まで持っていかれてしまった。

 隆の勝にはそれまで7勝4敗と勝ち越していた。だが直近の春場所は相手の鋭い出足にもろ差しを許し完敗。横綱は一気に前に出てくる相手を苦手とするが、隆の勝はさまにそのタイプだった。

 それだけに、相手の右をたぐって先手を取ろうとしたのだろうが、自分からバランスを崩し墓穴掘った。魔が差したとしか言いようがない“らしくない”取り口だった。

 優勝は心技体がそろわないとできないと言われる。少しでも心が揺れてしまうと横綱といえども自分の相撲を取りきれなくなる悪い見本のような一番だった。

 これで優勝のゆくえは千秋楽まで分からなくなった。

 横綱が負けて隆の勝が勝てば決定戦となる。ただ、横綱の千秋楽の相手は琴桜。胸を合わせて取れる力士だけに、隆の勝よりはやりやすい。それでも何が起きるか分からないのが相撲。最後までファンの興味を引きつける展開になった。(元大関・栃東)

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