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池江璃花子 準決勝敗退に涙「ショック。スタート台に立ったが、戦えずに終わった」

スポニチアネックス / 2024年7月28日 5時21分

池江璃花子

 ◇パリ五輪第2日 競泳(2024年7月27日 ラデファンス・アリーナ)

 女子100メートルバタフライ準決勝は、池江璃花子(24=横浜ゴム)が57秒79の全体12位に終わり、上位8人による決勝進出を逃した。3大会連続の五輪出場で、個人種目に限れば16年リオデジャネイロ五輪以来2大会ぶり。57秒82の全体14位で通過した予選からタイムを上げたが、目標に掲げたリオ五輪の決勝タイム56秒86を上回ることはできなかった。五輪初出場の平井瑞希(17=アリーナつきみ野SC)は56秒86の全体7位で決勝に進んだ。

 涙を浮かべながら、池江が首を捻った。予選14位通過で迎えた準決勝。2組中1組の1レーンに入り、序盤から突っ込んだ。前半は3位でターンしたが、後半は体が浮いて失速。組6位、全体12位に沈んだ。16歳の自分を上回る」と16年リオ五輪の決勝タイムを目標に設定していたが、0秒93届かず。「こんな形で個人種目が終わってしまったのはショック。すごく頑張ってきたつもりだったけど、この1年間の努力は何だったんだろう。悔しい気持ちと、何でできなかったんだろうという疑問がある」と視線を落とした。

 19年に白血病となり、20年に復帰。1年後の東京五輪に出場するなど急激な復活劇を遂げた反動もあり、ここ数年は伸び悩んだ。競技人生で初めて「泳ぎたくない」という心境に陥り「自分はなんて弱いんだろう。闘病中の時の方が強かった」と自分を責めた。再び成長曲線を描くため、昨秋から練習拠点をオーストラリアに変更。数々の有力選手を抱えるマイケル・ボール・コーチに師事し、東京五輪4冠のエマ・マキオンらと練習に励む。

 10キロの重りを引いて泳ぐ練習で体をいじめ、ゴムチューブに引っ張られるメニューでは通常は出せないスピードを体感。日本を出て約10カ月で体重は約3キロも増した。練習場の目の前に居を構えるが、最初のマンションはゴキブリが大量発生。叫び声が近所に響き、隣に住むトレーナーが驚いて駆けつけたこともある。海外で心身のたくましさを増し、いつしかスランプを脱していた。

 21年東京五輪は複雑な心境で臨んだ。開幕1年前イベントに出演して、世界にメッセージを発信。当時はコロナ禍の五輪開催に否定的な意見も多く「IOCに利用された」など心ない声も耳に入った。本番はリレー3種目に出場したが、女子メドレーの8位が最高成績。「リオ五輪の時は会場がキラキラして見えたが、東京五輪はあまりいい思い出がない」。それでも東京五輪の出場記念に五輪シンボルをかたどった金の指輪をつくるなど夏の祭典への思いは変わらなかった。

 白血病からの退院時に掲げた「パリ五輪に出場する」という目標は達成したが、高速化する世界の壁は高かった。「五輪は出るだけではつまらない。決勝に残らないと戦いは始まらない。スタート台には立ったが、戦えずに終わってしまった。また4年後にここに戻ってきてリベンジしようという気持ちになりました」。勝負は集大成と位置づける28年ロサンゼルス五輪。花の都の苦い経験が、池江璃花子を強くする。

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