【内田雅也の追球】初回のバントが示す意識 単打主義を徹底し、打線の雰囲気は明らかに変わった
スポニチアネックス / 2024年7月28日 8時2分
◇セ・リーグ 阪神7ー3中日(2024年7月27日 甲子園)
阪神監督・岡田彰布は勝利後の会見を終えると「今日は涼しかったなあ。汗かいてないわ」と言った。場内に吹いた浜風のように、気持ちの良い快勝だった。
「早い回に点が取れるようになった」と序盤に先制できたのが大きい。この速攻を呼んだのがバントである。
1回裏無死一塁で中野拓夢が前夜に続き投前に送りバントを決めた。前夜同様、初球を転がし、1死二塁をつくった。
岡田は迷いなくバントを命じている。まずは走者を進める意識をチームに植えつけたいのだ。
前日26日の試合前、オールスター明け後半戦を迎えるにあたり、選手たちに「もう一度つなぐ意識を持つようにしよう」と呼びかけていた。そして初回無死一塁で中野にバントを命じている。
球宴前は初回のバントは使わずにやってきた。今季を見返すと、初回の犠打は4度目だ。開幕後しばらくして打線低調が明らかになってきた4月21日、中日戦(甲子園)、同24日のDeNA戦(横浜)と、いずれも無死一塁で中野が投前犠打を決めている。その後は前日まで3カ月間、初回犠打はなかったのだ。
ボールが飛ばないといった声に岡田は「そうは思わん」と否定的だ。投手のレベルが上がったとみている。ともかく投高打低は間違いない。連打や長打は望めない。走者を進め、一打で還す。コツコツと「短打主義」でいこうというわけだ。
1回裏はバントで送った直後に森下翔太が左前打で還した。3回裏には単打5本を集めてビッグイニングをつくった。
この短打主義は岡田の野球でもある。前回監督当時、2007年9月7日の東京ドームでは巨人の7本塁打に対し、単打12本と桧山進次郎の代打決勝ソロで9―8で勝ったことがある。08年7月22日の甲子園では単打7本で巨人から4点差を逆転勝ちしている。
7月27日と言えば、46年に藤村富美男が西宮球場での巨人戦の最中、ベンチ内で新聞紙に火をつけるという“事件”があった日である。「ダイナマイトに火がついた」と打線を鼓舞した。10日前にスポーツ紙で「ダイナマイト打線」とニックネームがついていた。
今はバントが打線に火をつけている。岡田は「気分も雰囲気も変わった」と言った。阪神打線は生まれ変わったとみている。 =敬称略=
(編集委員)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【阪神】甲子園の中日戦6連勝 打線が13安打7得点と爆発、大竹耕太郎は8回1失点で7勝目
スポーツ報知 / 2024年7月27日 21時0分
-
【内田雅也の追球】「そつ」を巡る攻防
スポニチアネックス / 2024年7月27日 8時0分
-
福本豊氏、阪神・岡田監督の森下への助言を支持「レベルスイングに修正するべき。意識はうかがえた」
スポーツ報知 / 2024年7月27日 5時0分
-
【内田雅也の追球】「覇気」呼んだ盗塁
スポニチアネックス / 2024年7月22日 8時3分
-
阪神・岡田監督「もうホンマ、信じられへん、俺は」 ミス重なり63年ぶり甲子園で広島戦6連敗
スポニチアネックス / 2024年7月21日 5時16分
ランキング
-
1【バスケ男子】日本 歴史的1勝スルリ…延長死闘の末に敗れ連敗 河村「自分の責任」 八村が痛恨退場
スポニチアネックス / 2024年7月31日 2時18分
-
2【バスケ男子】河村 チーム最多の29得点も悔しい敗戦…「自分のコントロールミスで…勝てる試合だった」
スポニチアネックス / 2024年7月31日 2時32分
-
3天心も驚いた「僕とは正反対」五輪スケボー連覇・堀米雄斗の裏の顔「選ばれし人間なんだろう」
スポニチアネックス / 2024年7月31日 11時31分
-
4宮田笙子にもらったヘアピンを飾り、体操女子は4人体制で決勝8位 牛奥小羽「気持ちは5人」…パリ五輪
スポーツ報知 / 2024年7月31日 5時8分
-
5バスケ日本を襲った疑惑判定、本場・米老舗誌も「非常に疑わしい笛」指摘 八村退場も「開催国に有利」
THE ANSWER / 2024年7月31日 9時33分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)