体操ニッポンのエース・橋本 精彩を欠いたワケ「疲れて正常な判断が…」鉄棒での連覇は消滅

予選で精彩を欠いた橋本（ロイター）

　◇パリ五輪第2日　体操（2024年7月27日　ベルシー・アリーナ）

　男子予選が行われ、体操ニッポンが団体総合で金メダルを争う中国と同じ2班で演技。団体は暫定1位の中国に2・434点差をつけられて260・594点で暫定2位となった。

　個人総合と種目別鉄棒で連覇を狙う大エースの橋本大輝（セントラルスポーツ）にとっては試練の予選となった。

　5月に右手中指を突き指し、フランス入り前には左肩を痛めた。万全ではない中、3種目目の鉄棒で着地が大きく乱れる。前方に転げて両手をつく形となり、大きな減点に。「こけるなと思っていた。あまりいい感覚ではなかった」。種目別鉄棒で決勝進出を逃し、この種目での五輪連覇の夢は散った。

　その後の種目でも本来の動きからは程遠く、険しい表情でマッサージを受けるシーンも。「（疲労感が）早めに来てしまった。鉄棒終わってから。試合を久々にしたので、腕が両方ともきつかった。どうしても疲れて正常な判断ができなかった。きつかった。気持ちも引きずってしまった」。4月以来の実戦も不振の要因だった。

　6種目合計の個人総合は85・064点で暫定3位。最強ライバルとなる中国の張博恒が88・597点でトップに立ち、岡慎之助（徳洲会）が86・865点で2位につけた。

　予選の得点を持ち越さない決勝で、大エースは復活できるのか。どう立て直すか、と問われると「どうしますか。やれることをやるしかない。それだけですかね。どうしたらスイッチ、もう一度立て直せるかと言われたら難しいです」。