市船橋の「守備妨害」2つの要因を元NPB審判員記者が解説 伝令回数は「1度に制限」するべき理由
スポニチアネックス / 2024年7月28日 10時40分
◇第106回全国高校野球選手権 千葉大会決勝 木更津総合2―1市船橋(2024年7月27日 ZOZOマリン)
2つの高度なプレーで、木更津総合が6年ぶり8度目の夏切符をつかみ取った。タイブレークに突入した延長10回無死一、二塁。先頭・和田達也(2年)の絶妙なバントは三塁線ギリギリに転がった。投手からの一塁送球時に、打者走者と一塁手が交錯する間にボールが転々。内野安打に適時失策が重なり、二塁走者がサヨナラの生還を果たした。
10回の守りではチームを救った。先頭に犠打を決められ1死二、三塁。ピンチを迎えたが、背番号2は冷静だった。1球目で三塁走者のリードの大きさに気づくと、2球目はけん制球を投げやすくするために外角へボール球を要求した。「刺せると思って自信を持って投げました」。遠投100メートルの強肩で素早く三塁へけん制。送球に対し、走者が故意に妨げたとして守備妨害を適用されアウトとなり、2死二塁となった。窮地を脱するビッグプレー。五島卓道監督は「(走者が)後ろ向きなら構わないが前向きで当たっている。(審判の判定が)正解だと思います」とうなずいた。
羽根は決勝こそ無安打だったが、今大会で3本塁打を放ち高校通算30号に乗せた。ノーシードから7試合を勝ち抜き、たどり着いた甲子園。頼れる扇の要は「千葉と同じくチャレンジャーで戦いたい」と思いをはせた。
<市船橋>サヨナラで敗れ、2年ぶりの甲子園出場はならなかった。延長10回表1死二、三塁での三塁走者の守備妨害の判定に対し、海上雄大監督は5度にわたって審判に伝令を送った。伝令役に対し審判からは「(捕手からの送球に)当たりにいっている」と説明を受けたが、海上監督は「選手にわざと当たりにいくようなことは教えていない。選手の気持ちもありますので何度も確認させていただきましたが、何度も行ったことには反省しています」と振り返った。
【元NPB審判員記者の目】
三塁走者は故意に守備を妨げたとして守備妨害を適用された。なぜか。「故意」の理由は走者の視線にあると感じた。走者はフェアテリトリー側に膨らんで帰塁する際、送球が当たる寸前まで視線は捕手側を向いていた。この視線と膨らみから「故意」と判断したとみられる。事実、距離的に近い三塁塁審ではなく視線を確認できる球審が宣告した。当該選手が実際に悪意を持ってプレーしていなくても、要素が重なれば故意と判断される。
選手の大会という考えから監督による抗議ができない高校野球。神奈川大会準々決勝の横浜―桐光学園戦では一つのプレーに伝令による確認が8度もあり、今回は5度で中断時間が18分に及んだ。改革案として一つのプレーに対し伝令できる回数を、1度に制限することを提案したい。監督が簡単に引けない気持ちは、取材している身として痛いほど分かる。それでも高校野球では抗議ではなく「確認」。要点をまとめれば確認作業は1度で足りるはず。そして、意見が分かれるプレーを判断するために審判員が存在することを忘れてはならない。(元NPB審判員、アマチュア野球担当キャップ・柳内 遼平)
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