広島・坂倉 3試合連続マルチ! 球宴きっかけに復調アピール2安打3打点 サヨナラ負けにひとつの光明
スポニチアネックス / 2024年7月29日 6時33分
◇セ・リーグ 広島4ー5ヤクルト(2024年7月28日 神宮)
広島・坂倉将吾捕手(26)が28日のヤクルト戦(神宮)で完全復調を印象づけた。3回に2点右前打を放つと、同点の6回には右翼中段へ勝ち越しの5号ソロ。3試合連続マルチとなる2安打3打点をマークした。試合は守護神・栗林良吏投手(28)が1点リードの9回に逆転を許し、4―5で今季6度目のサヨナラ負け。後半戦最初のカードを負け越し、首位・巨人とは3ゲーム差に広がった。
衝撃音を発した打球は、神宮の右翼中段まで飛んだ。同点に追い付かれた直後の6回先頭で、坂倉が代わったばかりの大西が投じた初球、外寄り高め直球を積極的に強振。結果的に幻の決勝弾となった5号は、6月26日のヤクルト戦以来57打席ぶりの一発だった。
「先頭だったので出塁を心がけた。初球を思い切っていった結果が、ああいうふうになって良かったです」
チームの敗戦に坂倉の表情は硬い。それでも、勝負どころの夏場に上向いた打撃は心強い。1点優勢の3回2死二、三塁では、先発・阪口の外角低めフォークを巧みなバットコントロールで捉え、鮮やかな2点右前打。今季最長の3試合連続マルチ安打だった。
炎天下での後輩のプレーに感じるものがあった。西東京大会に出場した母校・日大三高の準決勝と決勝を、ヤクルト戦前の時間を利用して神宮で観戦。この日の決勝では乱打戦の末に早実に9―10で敗れ、惜しくも夏の甲子園出場はならなかったものの、大いに刺激を受けた。
「三高は負けちゃいましたけど、高校野球の一生懸命な姿は改めて勉強になる。野球を辞めても続けても、これからの人生の方が長い。悔しいこともあると思うけど、いいことも絶対にあるので、お互いに頑張れたら」
まるで打撃不振に苦しんだ自分自身に言い聞かせるかのようなメッセージ。状態改善に試行錯誤を繰り返し、球宴で一流選手と情報交換したことで底は抜けた。新井監督は「今日もサク(坂倉)、ナイスバッティングだったし、いいホームランだった」と称えた。
完全復調をチーム内外に強く印象づける2安打3打点。坂倉自身も手応えを感じ取る。
「オールスターで数多くの選手と話ができた。自分でかみ砕き、いろんなものを付け合わせて、いい方向に行っていると思う。結果にも出ているのでいい傾向かなと思います」
首位・巨人とは3ゲーム差。これ以上離されるわけにはいかないものの、残り試合はまだ十分ある。胸突き八丁の夏場、坂倉にも巻き返す時間は十分ある。 (江尾 卓也)
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