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石橋 創立100周年ミラクル初甲子園 公立進学校が国学院栃木を5点差逆転

スポニチアネックス / 2024年7月29日 5時3分

<石橋・国学院栃木>夏の甲子園初出場を決め、喜ぶ石橋・入江(奥)と山下(撮影・五島 佑一郎)

 ◇第106回全国高校野球選手権栃木大会決勝 石橋9ー8国学院栃木(2024年7月28日 エイジェックスタジアム)

 第106回全国高校野球選手権(8月7日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会は28日、11大会で12試合が行われ、10大会で代表校が決まった。栃木大会では石橋が国学院栃木に最大5点差を逆転し、創立100周年で初出場を決めた。

 容赦ない真夏の太陽に、石橋・入江祥太(3年)の右足が悲鳴を上げた。9―8で迎えた9回2死一、三塁。初の聖地まであと1アウトの場面で右ふくらはぎがつった。ベンチ裏で懸命のマッサージ。続投した。執念だった。最後は一邪飛。痛みを忘れてナインと思う存分抱き合った。

 「初回から飛ばして、ずっと全力で投げていた。監督から“あと1人。やってきたことを全部出せ”と言われて強い気持ちで投げられた」。8回1/3、113球で3失点の熱投だった。初回に先発、2番手投手で2死しか取れず5失点。入江は2死二、三塁で救援した。もう投手は残っていなかったが「入江と心中なら悔いはない」と福田博之監督。その粘りがミラクル逆転劇を呼ぶ。1点差に迫った6回1死満塁で入江は遊ゴロ。ところが二塁手が送球を捕れずに併殺のはずが逆転した。

 偏差値66。入江は野望を胸に県内有数の進学校を選んだ。中学は作新学院。そのまま強豪校に内部進学する選択肢もあったが「文武両道への強い思いがあった。勉強ができて野球が強いのが石橋。格好良くて憧れた」。その作新学院を倒して甲子園に――。27日の準決勝では3―1で撃破。そして県内の公立校では05年の宇都宮南以来の甲子園切符を手にし「進学して良かったと心から思う。夢が100個ぐらいかなった」と喜んだ。

 平日は50分の授業が7限目まで。グラウンドは他の部と共有で練習時間も2時間ほどだ。きょう29日には大会期間中に受けられなかった模試があり、入江は「萎えますねえ」と笑った。過去に真岡、宇都宮北などの進学校を強豪に育て、就任9年目の福田監督は昨春の21世紀枠に続く出場に「選んでいただいたお礼は、もう一回実力で甲子園に出ること。それが使命」。学校が創立100周年で、甲子園球場も100周年。「同い年」の夢舞台がナインを待っている。(鈴木 勝巳)

 ▼栃木県立石橋高校 1924年(大13)に旧制石橋中として創立。男女共学で校訓は哲学者ニーチェの言葉からとられた「爾(なんじ)の立てるところを深く掘れ」。昨年度は国公立大に130人が進学し、うち野球部員は13人。1994年には日本テレビ系「全国高等学校クイズ選手権」で優勝した。所在地は栃木県下野市石橋845。

 ≪23年選抜は21世紀枠≫石橋(栃木)が夏の甲子園初出場。23年春に21世紀枠で選抜出場したのに続き、春夏通じて2度目の出場となった。選抜で21世紀枠が導入された01年以降、同枠で初出場しその後、夏の甲子園に出場したのは10年春→同年夏(13年春、14年夏も出場)の山形中央以来14年ぶり5校目となった。

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