横審委員長が公傷制度復活について言及「議論すべき時期に来た」
スポニチアネックス / 2024年7月29日 21時27分
日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)は29日、東京・両国国技館で定例会合を開き、名古屋場所で10度目の優勝を果たした横綱・照ノ富士について、山内昌之委員長(東大名誉教授)は「ケガを抱えるなかで12勝は立派な成績。ドラマと感動を呼び起こす横綱だ」と評価した。
山内委員長によると、会合では多発する力士の土俵上でのケガについての対処が話題となり、かつて存在した公傷制度のようなルール作りについて賛否両論の意見が交わされたという。最近は力士がケガで番付を大きく下げるケースが目立ち、3月の春場所で新入幕優勝した尊富士は14日目の相撲で右足を負傷し翌場所全休して十両に転落。名古屋場所で左ヒザに大ケガを負った元大関の朝乃山も近日中に手術をする予定で長期離脱は避けれない状況だ。
山内委員長は横綱を狙える位置にいた貴景勝や霧島がケガのために無理をして出場し、その地位を失うことになったと主張。「これまでの公傷制度の在り方などについて、どこがまずかったのか、どこが改めて検討されるべきか考えるべき。公傷制度検討委員会、有識者中心の公傷問題検討委員会などを発足させて議論すべき時期に来たと思う」と持論を述べた。
1972年に導入された公傷制度は力士がケガをして休場した場合に、翌場所全休しても番付が降下しない救済処置。だが、そのシステムを悪用するケースも散見され、2004年初場所から関取の定員増加と同時に撤廃された。
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