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松坂大輔氏 100周年の甲子園球場は、好き嫌いを超越した特別な感情が湧く場所

スポニチアネックス / 2024年7月30日 5時1分

98年、横浜高で春夏連覇を達成した松坂氏

 【平成の怪物が行く 松坂大輔の探球】今年で100周年を迎えた甲子園球場。スポニチ本紙評論家の松坂大輔氏(43)が、月1回の連載コラム「松坂大輔の探球」で高校野球の聖地の思い出を振り返った。横浜高では98年に春夏連覇。「平成の怪物」として一気に球界のスターになった。甲子園球場の広さや暑さ、アルプスからの眺め…。「特別な感情が湧く場所」にはさまざまな思い出が刻まれている。

 甲子園が100歳。その長い歴史に自分が少しでも携われて、その一部になれて良かったと思います。自分にとっては好きとか嫌いとかいう思いを超越した、特別な感情が湧く場所です。野球人生を大きく変えてくれた場所、そして選手として磨かれた場所です。

 初めて訪れたのは横浜高1年の夏。それまではテレビで見ただけで、球場の外観に生い茂る「ツタ」を実際に見た時は感動しましたね。1年時、自分はベンチ入りメンバー16人に入れるかどうか、ぎりぎりのところにいました。結局は入れなかったのですが、練習の手伝いでグラウンドに下りて、シート打撃ではマウンドから投げました。大きいな、広いな――。外野のスタンドまでが凄く遠くに感じる。それが甲子園球場の第一印象でした。

 その1年の夏、覚えているのはアルプススタンドからの景色です。当時、1年でベンチ入りメンバーに選ばれたのは後藤武敏(現楽天打撃コーチ)の一人だけ。試合に出て、ヒットも打って…。その姿をスタンドから見て、うらやましいと同時に悔しかった。自分もあの黒土のグラウンドで思い切りプレーしたい。そう強く思ったのを記憶しています。

 次に訪れたのは3年春。1年の時に圧倒された広さを、不思議と感じませんでした。自分の力がついた、成長したからそう思ったのかもしれません。ただ、変わらないのは甲子園の暑さ。当時より、今はもっと暑くなっているかもしれませんね。3年夏。マウンド上で下を向くと、地面から顔に向かって熱い風が吹き上がってくるんです。そこに自分の汗がしたたり落ちて、黒土に跡をつくって…。それを見ると妙に落ち着いて、「どこに汗を落とそう」なんて遊んだりもしていました(笑い)。

 一度だけ「かちわり」も食べました。3年夏、横浜高の試合のない日に仲間と「球場に行こう」と観戦に行ったんです。自分で買った、かちわりの氷。選手はなかなか味わえない、暑い夏には最高だなと思いましたね。

 甲子園100周年。今年の大会は8月7日に開幕します。全国から選手が集まる大甲子園。そのプレーから勇気や力をもらう人が全国にはたくさんいると思います。野球に興味のある人も、ない人も感動させられるようなプレーが数多く見られることを、今年も願っています。

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