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炎鵬に続いて…大ケガから土俵に帰ってきた伊勢ケ浜部屋の3力士 恐怖心と闘い踏み出した復帰への一歩

スポニチアネックス / 2024年7月30日 7時48分

名古屋場所11日目、5勝目を挙げて勝ち名乗りを受ける伊勢ケ浜部屋の良ノ富士(撮影・前川 晋作)

 横綱・照ノ富士(32=伊勢ケ浜部屋)の復活優勝で幕を閉じた大相撲名古屋場所。序ノ口の土俵では、元幕内の人気力士・炎鵬(29=伊勢ケ浜部屋)が脊髄損傷の大ケガによる長期休場から7場所ぶりに復帰して大きな注目を集めた。照ノ富士や炎鵬と同じ伊勢ケ浜部屋には、再起を期して名古屋場所から土俵に帰ってきた力士が他にも3人いた。

 西序ノ口11枚目の良ノ富士(かずのふじ、19)は、今年1月の稽古中に首を負傷。序二段上位だった初場所は出場して2勝5敗だったが、首の骨が折れていたことが場所後に分かった。診断名は「環椎(かんつい)破裂骨折」。別名「ジェファーソン骨折」とも呼ばれる重傷で、春場所と夏場所は休場を余儀なくされた。同期生で昨年引退した元幕下・瀬戸の海(高田川部屋)が同じケガから復帰した経験があり、病院を紹介してもらうなど協力を得て復帰を果たした。

 尊富士の付け人としても知られている良ノ富士。春場所は休場していたため、新入幕優勝の歴史的快挙を間近で見届けることはできなかった。その尊富士は右足首のケガから復帰して名古屋場所8日目から出場してきたが、大胸筋のケガで10日目に再び休場。その日から良ノ富士は「尊富士弥輝也」と名前が入ったさがりを譲り受け「俺の分も頑張ってくれよ」と思いを託された。7番取り終えた成績は6勝1敗。展開次第では同部屋の炎鵬とともに序ノ口優勝決定戦進出の可能性もあったため「炎鵬関と対戦したかった。絶対勝てないと思われるけどやってみないと分からないので」と話した。

 東序ノ口12枚目の実富士(22)は、昨年12月末の稽古中に左膝前十字靱帯断裂の大ケガを負って今年2月に手術。三段目だった初場所から3場所連続全休し、名古屋場所は7番相撲だけ出場した。まだ実戦稽古が再開できていないまま復帰戦に臨み、ここまで2場所未勝利の若佐々木(15=西岩部屋)を圧倒。1勝したことで秋場所は序ノ口の番付に残ることが決まり「怖さもあったけど、相撲勘を取り戻すにはよかった」と本格復帰を見据えた。

 番付外の蒼富士(21)は、序二段上位だった昨年秋場所9日目の取組で左膝前十字靱帯断裂、内側側副靱帯断裂、半月板損傷、外側側副靱帯損傷。全治1年の大ケガで4場所連続全休し、今年の春場所からは番付外に落ちていた。10カ月ぶりの復帰戦となった名古屋場所3日目の前相撲。同じく長期休場から復帰してきた幕下経験者の中島(25=武蔵川部屋)と対戦し「立ち合い構えた瞬間、ケガした時のことがフラッシュバックした」という。前相撲は4日間取って1勝3敗。再出世が決まり「土俵に立てただけでもう一度頑張れるチャンス」と序ノ口で迎える秋場所からの本格復帰へ意気込んだ。

 蒼富士は熱海富士の付け人としても知られている。昨年秋場所では花道で熱海富士とグータッチを交わす場面がよくテレビ中継で映され、その愛嬌のある姿が話題に。前相撲でも大きな声援が送られるなど人気だった。名古屋場所3日目の夜は、同日に大関・貴景勝を破った熱海富士と“復帰祝い”の食事。「勝ち負けよりも“足は大丈夫?”と心配してくれた」という。6日目に前相撲を取り終えた蒼富士は「あとは熱海関が勝ってくれれば」と笑顔で話していた。

 番付は違えど同じ部屋には、大ケガや病気から劇的な大復活を遂げた照ノ富士や、現役続行不能の状態から奇跡的に土俵復帰を果たした炎鵬といった、良きお手本となる兄弟子がいる。若くして力士生命を脅かす大ケガを経験した3人の力士。それぞれ恐怖心や不安を抱えながらも、長期休場から再出発の一歩を踏み出した。

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