聖カタリナ学園が強くなった絆で夏初出場!! 夏の甲子園49代表が出そろう

＜聖カタリナ学園・西条＞夏の甲子園初出場を決めて喜ぶ聖カタリナ学園ナイン（毎日新聞社提供）

　◇第106回全国高校野球　愛媛大会決勝　聖カタリナ学園7―6西条（2024年7月30日　松山中央公園）

　第106回全国高校野球選手権（8月7日開幕、甲子園）の地方大会は30日、愛媛で決勝が行われ、聖カタリナ学園が勝って、49代表校が出そろった。春夏連続出場は、今春選抜で優勝した健大高崎（群馬）や同準優勝の報徳学園（兵庫）など9校。初出場は5校で、聖和学園（宮城）と新潟産大付（新潟）は春夏通じて初の甲子園大会出場。札幌日大（南北海道）、石橋（栃木）、聖カタリナ学園（愛媛）は夏初出場。組み合わせ抽選会は8月4日に大阪市内で行われる。

　幾多の苦難を乗り越え、聖カタリナ学園が初の夏切符をつかんだ。初回に2点を先制されても顔を上げ、7―2の8回から受けた反撃に耐えて1点差を死守した。部員間の暴力により、22年夏の県大会は当時の3年生12人で出場。同年秋は不参加。今夏のベンチ入り20人は全員3年生と不祥事に揺れた学年が団結し、河野嵐主将（3年）は「大変な経験をした代だけど、野球を楽しくできた」と激動の日々を思い返した。

　入学時に約35人いた現在の3年生は、24人に減った。昨年2月に就任した浮田宏行監督は、選手との初対面で「いろいろあったことも力にし、絶対に甲子園に行こう」と伝えた。今春の県大会前には、打撃方針を巡って監督と選手間で意見が対立したこともあった。それでも「低く強い打球」を掲げる監督の意向を信じると決めた選手が、決勝では全6安打を単打にして7得点を奪った。

　河野主将には秘めた目標があった。「甲子園行きを決めて3年生24人で抱き合う」。苦しみ、強くなった絆で聖地までたどり着いた。　（河合　洋介）