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【内田雅也の追球】目指す「甲子園野球」を

スポニチアネックス / 2024年7月31日 8時0分

<神・巨>6回、ヘルナンデスの飛球をキャッチする前川(撮影・亀井 直樹)

 ◇セ・リーグ 阪神5―1巨人(2024年7月30日 甲子園)

 序盤の拙攻を阪神監督・岡田彰布は「気にしてなかった」と言った。1回裏は森下翔太、2回裏は大山悠輔がともに遊ゴロ併殺打で場内のため息を誘っていた。

 「ゲッツー、ゲッツーだったけど気にもしてなかったし。そんな、いつもつながってたら試合終わらんやん」

 何度か書いたが、岡田は「“打て”(という強攻策)はゲッツーも含めての“打て”よ」と併殺打も織り込み済みだ。今季、阪神の併殺打80はリーグ最多、最少は広島49だ=数字は29日現在=。だから、どうなのだ。

 長嶋茂雄は現役時代、年間リーグ最多併殺打を5度も記録しているが、無類の勝負強さを誇っていた。併殺になるほど強いゴロを放ち、別の打席で殊勲打を放ったのだ。

 併殺打の後の打席で大山3ラン、森下ソロと本塁打を放った。やり返した姿勢は見事である。

 さて、拙攻続きだった打線は5回裏、ようやく先取点を奪った。大山中前打の無死一塁で前川右京が左中間へ適時二塁打を放った。前川はよく打ったが、左中間への飛球に巨人左翼手・岡本和真があと一歩届かなかった。わずかな守りのスキがあったと言える。

 一方、先制後の6回表、先頭打者の左翼前への安打性飛球を前川は判断よく前進、好捕している。ピンチの芽を事前につんだのだ。

 8月1日の甲子園球場開場100周年を記念した「甲子園クラシックシリーズ」の初戦だった。「試合になれば、そんな意識もないよ」と岡田は言った。幼いころから父に連れられ親しんだ甲子園だ。思い入れは深い。

 「オレの野球は甲子園の野球」と言う。「ラッキーゾーンがなくなってからの広い甲子園に応じた守りの野球よ」

 甲子園球場ができた1924(大正13)年8月、夏の中等野球(今の高校野球)優勝の広島商も「守りの野球」だった。

 ならば、7回表無死一塁での佐藤輝明の失策はいただけない。才木浩人や桐敷拓馬の踏ん張りで1失点でしのいだが、無駄な消耗を呼んだ。2失策でいわゆる「4アウト・イニング」が2度。攻撃は4併殺に盗塁死、走塁死で「2アウト・イニング」が6度もあった。

 既に書いたように「勝てばええ」時期にある。ただ、100周年の記念で、長期ロード前最後の甲子園である。目指す「甲子園野球」を見てみたい。 =敬称略= (編集委員)

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