阪神が誇る救援陣 桐敷、石井、ゲラでつないだ鉄壁リレー

＜神・巨＞ファンの声援に応える桐敷（撮影・須田　麻祐子）

　◇セ・リーグ　阪神5―1巨人（2024年7月30日　甲子園）

　傾きかけた流れを、桐敷が完璧に引き戻した。4点リードの7回1死満塁で、先発の才木からバトンを受けた。まずは丸を150キロの内角ツーシームで一ゴロに打ち取った。併殺崩れの間に1点は失った。それでも一発を浴びれば同点となる勝負どころで、反撃を最少失点で切り抜けた。

　「点差もあったので、あそこは本当に長打やホームランで点差が縮まるのが、やってはいけないことだと思っていた。そういう気持ちで投げた」

　1点を失っても集中力は切らさなかった。なおも2死一、三塁で代打・坂本に対し、151キロの外角低め直球で見逃し三振。わずか3球で仕留めて巨人打線の息の根を止めた。「ただ投げるというよりも、ストライク先行で。力を入れている中でも外に広く広く（投げる）と思って投げていた」。これで2日広島戦から12試合連続無失点。リリーフ陣の中心として、大車輪の活躍を見せている。

　3点リードの8回からは石井が登板し10試合連続無失点。「一人一人丁寧にいこうという気持ちが良いところにつながった」とうなずいた。4点リードの9回はゲラが締め、12試合連続無失点。虎の誇る救援陣が輝いた。

　岡田監督は「岩崎を投げさせるつもりはなかった。まだ疲れているみたいやな」と28日の中日戦で9回に2失点し、同点に追いつかれた左腕を温存。信頼できる救援投手がいるからこそ、1人を休ませられる起用ができる。歴史をつないできた甲子園のように、救援のバトンをつないで勝利に導く。（杉原　瑠夏）