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ドジャース・大谷の28年ロス五輪「出てみたい」で夢プラン始動! MLBが姿勢一転

スポニチアネックス / 2024年7月31日 2時30分

東京五輪で金メダル獲得し歓喜する日本ナイン

 パリで連日の熱戦が続く中、米国では4年後へ向けた夢プランが胎動し始めていた。28年ロサンゼルス五輪で追加競技として復活する野球に、史上初めてトップメジャーリーガーの派遣を――。発端は7月15日、ドジャース・大谷翔平投手(30)の言葉だった。五輪野球の取材を続ける米誌スポーツ・イラストレーテッドのステファニー・エプスタイン記者の証言を基に、「Monthly Shohei」7月編ではその可能性を追った。(取材・杉浦大介通信員)

 野球が2大会ぶりに実施されるロス五輪で米国代表は「ドリームチーム」を結成できるのか。精力的に五輪関連の取材を続けるエプスタイン記者は、球宴期間中だった7月16日の会見での大リーグ機構(MLB)のロブ・マンフレッド・コミッショナーの「話し合う準備はある。オープンな姿勢だ」という発言に驚きを隠さなかった。「“シーズンは重要で、故障のリスク、保険、経費、チームごとの負担の違いなどの問題を解決できない”というあっさりした答えを予期していた」という。「会見の24時間前よりもずっと、今ではあり得ると考えるようになった。現状では、みんなが前向きのようだ」と明かした。

 中でも決め手になると考えているのは大谷の意思だという。球宴前日恒例の会見で大谷はエプスタイン記者から五輪について問われ、「五輪は特別。出たい気持ちはある」と出場希望を明言した。「大谷以上にグローバルなスターはいない。特に大谷の(出たいという)言葉が大きい。大谷がYESといえばNOと答えるのは難しい」と“大谷効果”を強調する。実際にヤンキース・ジャッジ、フィリーズ・ハーパーら大物スターが次々と賛同した。

 現実的には多くの障壁が存在する。メジャーのベンチ入り26人枠の選手の五輪出場が認められたことはなく実現にはシーズンの中断が不可欠。そのためには26年オフの労使交渉で協定を変更しなければならない。選手会のトニー・クラーク専務理事は「28年に限らず、国際大会出場を希望する選手には機会を与えてほしい」と既に訴えている。

 「参加チームを減らし、7~10日くらいで全日程を消化すればいい。オールスターブレークを少し長く取るくらいの感覚で」とエプスタイン記者は私案を披露した。ロス五輪の大会期間は7月14~30日を予定。選手の体は出来上がっており、3月開催のWBCで指摘されるコンディション面の負担は少ない。大谷にとっては本拠地での地元開催。「野球のグローバル化を目指すMLBの目的にも合致する。大谷にその気があるのなら、大きな関心が寄せられる。MLBは、全ての難題を解決する価値があると考えるかもしれない」。32年のブリスベン五輪では現実的に難しく、「ドリームチーム」結成には最初で最後のチャンスかもしれない。数多くの人の「夢」の行方は、大谷を軸として揺れ動き始めた。

 ≪MLB側の態度軟化 自国開催&昨春WBC影響か≫野球は00年シドニー五輪からプロ参加が認められたが、MLBはリーグ中断につながるメジャーリーガーの出場は認めてこなかった。米国代表は96年アトランタ五輪までは大学生、00年からマイナー選手中心で編成され、同年に初の金メダルを獲得。21年東京五輪はマイナー選手とオースティン(DeNA)らNPB選手で臨んだ。MLB側の態度の軟化は、自国開催に加え、昨春のWBCで国際大会の盛り上がりを再認識したことも大きいとみられる。

 ≪バリテック氏も賛同「進化しないと」≫レッドソックスで松坂大輔氏(スポニチ本紙評論家)とバッテリーを組んだジェーソン・バリテック氏(52)は、28年ロス五輪へのメジャーリーガー派遣に賛同する一人だ。ジョージア工科大時代に92年バルセロナ五輪に米国代表として出場。男子バスケットボールで「ドリームチーム」が初結成され、NBAの人気が世界的に高まっていく状況を目の前で体験した。「五輪は変わった。バスケに限らず、プロ選手が参加し、ベストプレーヤーが顔をそろえる時代になった。世界が進化していく中で、野球も進化しないと」と訴えた。

 現在はレ軍でゲームプランニングコーディネーター兼捕手コーチを務める。WBCもシーズン中に開催すべきと主張し「4年ごとの五輪とWBCがシーズン中盤の時期に開催できれば、全ての国が同じタイミングで準備できるようになる。それが理想」と語った。

 ≪米ドリームチーム結成なるか!?≫スポニチ本紙は4年後の28年に代表チームの主力を担うであろう若手~中堅のトップメジャーリーガーに緊急アンケートを実施した。多くのスター選手が出場を熱望したが、実現への高い壁を痛感する声も聞かれた。

 ▼タイガース・スクバル(27=投手)このクラブハウスの中に、五輪でのプレーに興味がない選手なんていない。もしも声がかかったら「準備しておきます」と答えるだろう。実は16年にも大学米国代表でプレーする予定だったが、左肘の手術でかなわなかった。代表でプレーしたいという気持ちは常に持っている。いずれWBCでも米国代表としてプレーしてみたい。

 ▼フィリーズ・ターナー(31=内野手)現実的にシーズンを中断するというのは大変なこと。チーム、オーナー、選手、全ての人々が賛同しなければいけないので、難しすぎる。シーズンをどのように中断すればいいかは分からないが、出場が可能な状況になれば多くの選手がプレーを望むとは思う。私も23年のWBCに米国代表として出場し、素晴らしい時間を過ごした。WBCの経験は最高だった。

 ▼ロイヤルズ・ウィット(24=内野手)MLBの代表者が話し合いを重ね、メジャーリーガーを五輪に出場させることができれば本当に素晴らしい。23年WBCでの米国代表は本当に楽しい経験だった。

 ▼オリオールズ・ヘンダーソン(23=内野手)ロス五輪に間違いなく出場したい。五輪にMLB選手が初めて出場することになれば素晴らしいこと。五輪はそれぞれの国にとって特別なもの。自分の国を代表してプレーできるなんて素晴らしい。

 ▼レッズ・グリーン(24=投手)もしロス五輪でプレーできれば、絶対楽しいイベントになる。ただ、WBCで開幕前に故障者が多く出て問題視されたように、選手にとってどうコンディションを維持するのか難しいチャレンジになる。ぜひ出てみたいし、プレーできることを願う。

 ▼レイズ・ブラッドリー(23=投手)大谷とハーパーがロス五輪に出場したいと言っている。その2人が出たいなら、実現するのでは。その他にもベッツ、フリーマンらスター選手が希望すれば実現する気がする。

 ▼レイズ・バズ(25=投手)東京五輪に出場できたことは最高の思い出。ぜひまた参加したいと思っている。シーズンを中断するには、1週間くらいで一気に行う必要があるが、ロス開催であればできる。“ドリームチーム”結成は不可能ではないと思う。

 ▼マリナーズ・アロザレーナ(29=外野手)もしメキシコ代表が声をかけてくれるなら、ぜひロス五輪に出場したい。シーズン中断が可能かどうか分からないが、国際大会は日本など海外の文化に触れられる素晴らしい機会になる。

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