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引退表明の興梠慎三が語る浦和愛 語り継がれる“吉野家の夜”は「なぜかそこだけ取り上げられる形に…」

スポニチアネックス / 2024年7月31日 15時41分

<浦和・興梠 会見>会見に臨む興梠(撮影・西海健太郎)

 浦和のFW興梠慎三が38歳の誕生日を迎えた31日、さいたま市内で引退会見を行った。

 スーツ姿で会見場に現れた興梠は「今年で現役を引退することを決断しました」とあいさつ。所属した鹿島、浦和、札幌関係者への感謝を口にした上で「きょうは全部お答えするつもりです。堅苦しい会見は嫌なので、にぎやかな会見にしたいと思います」と笑顔を見せた。

 選手生活を送るうえで支えの一つなったのは、熱いサポーターの存在だった。「特に浦和レッズサポーターの皆さんには、どんな状況でも全力で応援していただき、ふがいない試合をしても常に応援してくださった。本当に素晴らしい人たちです。だからこそ、選手たちはもっと頑張らないといけないし、タイトルをサポーターにプレゼントするのは大前提だと僕は思っている」。

 サポーターとの関係性は常に良好というわけではなかった。サポーターとの衝突もあった。しかし、それはお互いが本気でチームを愛し、勝利を求めるからこそだった。「サポーターと口論することはあるかもしれないですが、それはチームにとってすごく大事なことと思います。お互いが一生懸命やっているからこそだと思っている。サポーターとのふれあいは大事と思っている。いろんなところで口論になってもいい。僕もそうでした。いろいろケンカして、自分の意見をぶつけて“こうしてほしい”“ああしてほしい”と言ってきた。それで深い絆になっていった」と一言一言をかみしめるように、思いのたけを表現した。

 興梠とサポーターの関係性を表す話として、いまだ語り継がれる「吉野家の夜」がある。2017年11月25日、浦和は埼玉スタジアムで行われたアジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦で、アルヒラル(サウジアラビア)に1―0で勝利し、2戦合計2―1で、10年ぶり2度目のアジアの頂点に立った。試合後、牛丼チェーン店の「吉野家」を訪れた興梠は、その場に居合わせた客全員の支払いを済ませた。客がツイッター(現X)で拡散したことで、瞬く間に世間に知られる話となった。

 当時のことを聞かれた興梠は照れ笑いしながら「吉野家だけおごったわけじゃないですけど…」と一言。恥ずかしそうに「行く店、行く店、全部僕が払ったんですが、なぜかそこだけ取り上げられる形になった」と話し、会見場に笑いを沸き起こした。

 「鹿島から浦和に来るときも、なかなかサポーターの皆さんはそう簡単に受け入れてくれない、応援されないと聞かされていた。どうにかしてサポーターの心を、気持ちをつかんで、認めてもらうという気持ちで来ました。認めてもらえたかは分かりませんが、自分のチャントができた時はすごく嬉しかったのを覚えている。たくさんのゴールを決めたことを、すごく嬉しく思います。このビッグクラブに来て本当に良かったと思います」。サポーターに愛され、サポーターを愛した男は引退会見で「感謝」の思いを何度も、何度も繰り返した。

 ◇興梠 慎三(こうろき・しんぞう)1986年(昭61)7月31日生まれ、宮崎県出身の38歳。05年に鵬翔高から鹿島に入団。13年に浦和へ移籍し、22年は札幌へ期限付き移籍した。23年に浦和に復帰。これまで数多くのチームタイトルと個人タイトルを獲得した。12年からJ史上初の9年連続2桁得点をマーク。日本代表は16試合0得点。1メートル75、72キロ。利き足は右。

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