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上水研一朗氏 81キロ級連覇の永瀬 “詰め将棋”のような柔道で危なげなく金メダル

スポニチアネックス / 2024年8月1日 3時33分

柔道男子81キロ級で連覇達成の永瀬(撮影・平嶋 理子)

 ◇柔道男子81キロ級 永瀬貴規が連覇

 【柔道 斬る 上水研一朗】東京五輪では準々決勝、準決勝がギリギリの勝負だった永瀬だが、今回は厳しい組み合わせにもかかわらず、数段安定した戦いぶりで、集中力の高さも際立っていた。例えるなら詰め将棋のような柔道。相手を追い詰め、いつでも投げられる状況をつくっていった。

 それを可能にしたのは組み手だ、特に左の引き手を袖ではなくあえて襟を持ち、まず最初に組み止めることを目指した。そうすることで相手が嫌がって脱しようとした時に、先に対応して技を掛けてしまう。決勝も相手が焦って間合いを詰めたところを谷落としで2回投げた。普通なら組み手をつくる段階は不安定な体勢となるが、自分の一番強い体勢を維持して組み手をつくるから隙が生まれない。足の置き場所、上半身の姿勢を常に意識しており、危ないシーンは一度もなかった。

 81キロ級や90キロ級が最激戦区といわれる理由は、単純に言えば海外選手の平均的な体格に近く、さまざまなタイプの選手が入り交じるからだろう。背が低くてガッチリタイプもいれば、背の高いひょろっとした選手、カス(ベルギー)のような筋肉質の選手もいる。従って特定のタイプに強くても、別のタイプに弱いと淘汰(とうた)される。永瀬は背が高く手足も長いが、担ぎ技に弱いという従来の弱点も克服した。どんなタイプでも万能に対応できることが、最強と言われるゆえんだろう。 (東海大体育学部武道学科教授、男子柔道部監督)

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