G大阪ユースが異例の40分1本勝負でクラブユース2連覇 AT2発で大逆転
スポニチアネックス / 2024年8月1日 6時53分
◇日本クラブユースサッカー選手権(U―18)準決勝 G大阪ユース3―2川崎F・U―18(2024年7月31日 味の素フィールド西が丘)
G大阪ユースが40分1本の変則形式で行われた川崎F・U―18との決勝を3―2で制し、2年連続5度目の優勝を達成した。31日午後6時に開始予定だった試合は雷雨の影響で一度は午後7時半開始に変更されたが、天候が回復することなく再度の延期。会場の夜間使用に制限時間がある中、前後半40分から40分1本に変更した上で午後8時15分開始となり、延長戦やPK戦は行わず、同点の場合は再度キックオフできなかった場合も含めて両チーム優勝とするという条件の下で開催が決まった。
天候が持ち直して午後8時16分に始まった試合は19分にG大阪のFW中積爲(なる、16)が一瞬の隙を突いて先制のミドル弾。川崎Fも反撃に出て24分にロングスローの流れからDF柴田翔太郎(18)が同点弾を決め、5分後には柴田の右クロスから途中出場のFW香取武(18)が勝ち越し弾をもたらした。試合はこのままアディショナルタイム(AT)に突入。敗北寸前の状況に追い込まれたG大阪だったが、ここから驚異の粘り腰を見せた。
AT2分にMF山本天翔(たかと、16)の右CKが起点となってMF古河幹太(17)が同点弾。さらに44年ぶりの両チーム優勝が現実味を帯びてきたAT6分にゴールから約23メートルの位置でFKを得ると、山本が左足で劇的な一撃を決めた。左寄りのクロスバーに当たってゴールに吸い込まれる決勝弾になった。
それでも川崎Fは諦めることなく福岡U―18との準決勝で後半AT弾を決めたDF土屋櫂大(かいと、18)を前線に上げるパワープレーで同点弾を狙ったが、1分後にタイムアップ。G大阪が異例の変則マッチを制して2連覇を果たした。
G大阪の町中大輔監督(44)は大逆転での勝利に「凄かった。僕もびっくり。選手に感動させられて成長しているなと感じた。シンプルにうれしい」と」と息をついた。
通算3得点で大会MVPにも選ばれた山本は「チーム全員で最後まで勝利を信じて戦い切って勝ったのでうれしい」と満足げ。40分1本勝負という変則形式には「短い戦いになると分かっていた。(力を)出し切って悔いのないように戦うということはみんなと共有した」と振り返った。
劇的なFK弾に「たまたま」と苦笑しながらも「大会前からFKを1つの武器にしたいと思って練習していた」と告白。「何も考えずに蹴ってボールの軌道を見て“入ったな”と」。FC東京U―18を破った1年前の決勝は出番なし。悔しかった思いに触れ「去年の気持ちがなかったら絶対にFKも入らなかったと思う。ああいう経験はその瞬間は辛いかもしれないが、ポジティブに捉えて自分の成長につなげ、こういう形を迎えられた。最高ですね」と感慨深げだった。現在は高校2年生で「満足してはいけない。3連覇できるのは僕らだけ。次に向かっていくだけ」と早くも1年後を見据えた。
敗れた川崎Fの柴田は1得点1アシストの活躍にも「ただただ勝ちたかった。勝ちにつながるゴールにならなかったのが悔しい。最後に負けてしまったら悔しい思いしか残らない」と唇をかんだ。
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