なでしこ北川 トレーナーの兄も認める1歩目の進歩「トップスピードに乗るまで早くなった」

兄・拓見さんと誕生日を祝う北川ひかる（拓見さん提供）

　◇パリ五輪第6日　サッカー女子1次リーグC組最終第3戦　日本3―1ナイジェリア（2024年7月31日　ボジョワール競技場）

　北川の成長を遠くから見守ってきたのが、2歳年上の兄でアスレチックトレーナーの拓見さんだ。中学1年から親元を離れてJFAアカデミー福島でサッカーに打ち込んできた妹が夢舞台に立つまでの道のりを「長かった」と語る。

　小学生時代は2人で日が暮れるまで一緒にボールを蹴り続けた。その後、立場は変わっても、なかなか代表に定着できず、もがき苦しむ妹の姿をずっと見てきた。最近は、トレーナーの視点でも攻守の切り替えの場面で1歩目の動作に進化が見え「トップスピードに乗るまで早くなった」と目を細めた。

　苦しむ姿も見てきたからこそ兄は「ずっとそこ（代表）でプレーしたいと思っていたその気持ちをぶつけてきてほしい」と願った。現在は都内から声援を送る。鮮やかなFK弾は兄の目にも誇らしく映ったはず。頂点まであと3勝。兄もまたフランスの地で輝きを放つ妹とともに戦う。