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阪神・大山 ベース踏み忘れた汚名返上の決勝打で今季初の8連勝 2位浮上&リーグ50勝一番乗り

スポニチアネックス / 2024年8月3日 5時17分

<D・神>6回、坂本の左前打で二塁から生還した大山(手前)(撮影・大森 寛明)

 ◇セ・リーグ 阪神4―2DeNA(2024年8月2日 横浜)

 阪神は2日、本拠地の甲子園を離れて戦う夏の長期ロード初戦のDeNA戦(横浜)に4―2で逆転勝ちを収めた。今季初の8連勝でセ・リーグ最速50勝に到達。8連勝のうち球宴明け7連勝は67年ぶりの快挙だ。殊勲は大山悠輔内野手(29)。1―1の6回1死一、三塁で決勝の中前打を放ち、0―1の4回1死一、二塁、一塁走者で犯したボーンヘッドを挽回した。チームは首位・広島と0・5差の2位浮上。猛虎の勢いは止まらない。

 大山は勝負どころを心得ている。1点を追う6回、先頭・近本の死球を皮切りに森下が同点打、佐藤輝の右翼フェンス直撃打で1死一、三塁。絶好の勝ち越し機で、5回まで2安打と苦戦したジャクソンから、執念で中前へ運んだ。フルカウントからの7球目、高めに浮いたチェンジアップに反応。凡退ならば流れが相手に戻りかねないポイントで、一気に試合をひっくり返した。

 「自分の走塁ミスを、村上や他の野手のみんながカバーして踏ん張ってくれていた。何としても走者を還したいと思っていた」

 仲間への感謝の裏には、一歩間違えれば敗戦に直結しかねない失態があった。

 0―1の4回。1死から佐藤輝の右前打に続いて四球を選び、一、二塁とチャンスメーク。前日1日に3安打4打点の前川に快打を託した場面で、まさかのミスが飛び出した。前川の中堅後方を襲う飛球に、一走・大山は長駆生還を期し、二塁を通過。だがこれを桑原が必死の背走で好捕。懸命に一塁へ戻った大山に一度はセーフの判定も、DeNAのアピールプレーでアウトに…。何と大山は二塁への「往路」でベースを空過し、「復路」でも再び空過していた。

 「中途半端にやってしまった…。やってはいけないこと」

 うつむきながら口にした悔恨も、進撃の8連勝で少しだけ救われた。球宴明けの7連勝は67年ぶり。まさに「世紀の連勝街道」も、大山なくしては語れない。1打席目に7球、2打席目は9球粘り、連続四球。適時打の打席を含めると、ジャクソンが投じた107球中、2割超の23球も投げさせ、ボディーブローを浴びせた。それでも主砲が素直に喜びを表現することはない。

 「(走塁ミスは)勝ったから良かったね、というプレーではない。そこはしっかり反省します」

 22年から3年連続で長期ロードの初戦を取った。幸先良いスタートは、23試合で18勝5敗、貯金13を荒稼ぎした昨年を想起させる。文字通り「Vロード」とした1カ月間の再現を期し、大山がきょうも全力疾走で塁上を駆け回る。(八木 勇磨)

 ≪セ最速50勝ならV率は50%≫阪神が今季初の8連勝。セ最速で50勝到達は3年ぶり9度目で、過去8度のうち62、85、03、05年の4度はリーグ優勝につなげておりV確率は50%だ。

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