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【内田雅也の追球】投手力、守備力、3ランで勝った試合 チーム一丸の姿勢も勝利に欠かせない

スポニチアネックス / 2024年8月5日 8時3分

4回2死一、三塁、林の三ゴロをさばく佐藤輝

 ◇セ・リーグ 阪神4ー0DeNA(2024年8月4日 横浜)

 野球では「よく守れば、よく打てる」といわれる。半ば定説のようになっている。

 ただ、阪神監督・岡田彰布は試合後「バッティングがよくなれば、守備もよくなる。そういうもんよ」と言った。好守備の後に本塁打を放った佐藤輝明のことだ。逆もまた真なり、なのだろう。

 佐藤輝は4回表の打席で右前打し、連続試合安打を13試合に伸ばした。

 その裏の守り。2死一、三塁のピンチで林琢真の三遊間寄りゴロを好捕した。打者走者は俊足の左打者で前に出るしかない。難しいハーフバウンドになったが、グラブさばきでよく処理した。

 この好守の後、5回表1死一、二塁で回ってきた打席で中堅右へ3ランを放ったのだ。左腕アンソニー・ケイの2ボール1ストライクから低め速球を軽いスイングで運んだ。ローボールヒッターのスラッガーである。

 阪神は2回裏のピンチも好守連発でしのいでいる。1死一、二塁で一、二塁間ゴロを中野拓夢が半身で好捕して二塁送球、見事封殺した。2死一、三塁となり、こんどは二遊間ゴロを木浪聖也が横っ跳び好捕、二塁で刺した。先発・西勇輝はじめチームを救う好守が相次いだのである。

 1960~80年代、大リーグ・オリオールズ監督として4度リーグ優勝に導いた名将、アール・ウィーバーの名言を思う。「野球は投手力、守備力、そして3ランだ」

 バントや盗塁など小技を嫌い、堅い守備陣と一発長打の打撃力を前面に押し立てていた。

 阪神も投手力が強力な後ろ盾になっている。西勇は5回で101球を費やしながら無失点でしのいだ。6回以降は勝ちパターンの救援陣4人が無失点、零封リレーを完成させた。岡田は継投について「昨日も投げてないし、明日も試合がない。ほな1回ずついこか、という感じよ」と、いとも簡単なように話した。

 打線は3度の満塁機をつぶすなど実に15残塁だった。文字通り「投手力、守備力、そして3ラン」で勝った試合だった。

 ウィーバーは野球でもう一つ重要な要素を説いている。原書82年刊行のトマス・ボスウェル『人生はワールド・シリーズ』(東京書籍)にあった。「一人一人は平凡でも一つになるとすごいことができるのさ」。団結の力、岡田もよく使う「みんなで」というチーム一丸である。 =敬称略=

 (編集委員)

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