【柔道】上水研一朗氏 対応力欠いた選手はメダルに届かず 緻密なビジョンと危機感の共有必要
スポニチアネックス / 2024年8月5日 5時32分
【斬る 上水研一朗】大会を総括する前に団体戦について触れておきたい。東京から実施されているこの団体戦は大きな盛り上がりを見せており、各国ともかなり力を入れてきている印象だ。団体戦のみの出場選手を加えることができる世界選手権と異なり、五輪で出場できるのは個人戦参加選手に限られる。今後の五輪代表選考の際には「最終日にもう1大会できるタフな選手」という条件も加える必要があるだろう。
今回のパリ五輪は、大成功に終わった東京の延長線上の強化に課題を突きつけられたということだと思う。しっかり組んで、投げて、寝技も決める。理想の柔道を続けようとした日本に対し、いかに日本の柔道をさせないかにフォーカスした海外勢という、構図と結果だった。強さを求めるとき、日本人は「自分の形」をつくりたがるが、それはあくまで理想。苦手な組み手や特徴の相手に、どう対処するか。対応力を欠いた選手は、メダルにたどり着けなかった。
検証とは批判につながりやすく、苦しいものだ。しかし、まだ若い斉藤立を早期に五輪代表に内定させたのは良かったか。コンディショニング優先で大会出場を減らし、シード権を取れなかった阿部詩の選択は正しかったか。この部分から目をそらせば、次のロス五輪はもっと苦しい戦いになるだろう。
例えば4年間のうち、底上げと強化に充てる最初の2年間と、五輪への現実的な戦略を考える後半2年間、といった緻密なビジョンが必要ではないか。連盟、強化現場が一体となり、是々非々の検証ののち、危機感を共有していくことが重要だろう。 (東海大体育学部武道学科教授、男子柔道部監督)
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