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桂米丸さん 老衰で死去 弟子・桂歌丸さんの元へ 寛容と頑固さ持ち合わせ

スポニチアネックス / 2024年8月5日 12時12分

桂米丸さん

 【評伝】現役最高齢の落語家、四代目桂米丸(かつら・よねまる、本名須川勇=すがわ・いさむ)さんが1日、老衰のため東京都内の病院で死去した。99歳。横浜市出身。入門からの78年を新作一筋で通した。2002年から落語芸術協会の最高顧問として後進の育成にも尽力した。

 軟らかい語り口と柔和な笑顔で親しまれ、90歳を過ぎてもお笑いを届けた米丸さんが高座を下りた。横浜市の妙蓮寺で18年7月11日に営まれた弟子、桂歌丸さんの告別式。「人と同じことをやっていてもダメだと、誰もやらないような(三遊亭)円朝の怪談をやろうと、真剣な目で話していた。あなたは、この道に進まれて大成なさった」と遺影に語り掛けた米丸さんの弔辞が耳に残っている。

 先立たれた寂しさがにじんだが、あれから5年半、師匠の米丸さんも弟子の元に旅立った。80歳を前に心筋梗塞を患い、90歳を過ぎて黄だんが出たが、大病とは無縁だった。

 都立化学工業専門学校(現・東京都立大)を卒業し、1946年4月に芝居関係の仕事をしていた兄の薦めで五代目古今亭今輔に入門。今児の名前をもらう。「古典は上手な人が多いから新作をやりなさい」とのアドバイスを忠実に守った。

 終戦直後の混乱期で、若い噺家が少なかったこともあり、47年1月に前座修業なしの二つ目付き出しで初高座。49年4月、師匠・今輔の前名である桂米丸を四代目として襲名し、真打ちに昇進した。

 62年に三代目三遊亭円右、五代目春風亭柳昇、初代林家三平、二代目三遊亭歌奴(のちの三遊亭円歌)、三遊亭小金馬(現・三遊亭金翁)とともに「創作落語会」を結成し、新作ネタを磨いていった。艶のある高めの声で披露する「びっくりレストラン」「タクシーの怪」「若き日の思い出」などの作品で人気を得た。

 師匠今輔の死去に伴い、77年2月に日本芸術協会(現・落語芸術協会)の三代目会長に就任。99年に会長職を十代目桂文治に譲り、顧問に就任。02年から最高顧問を務めた。

 デビュー以来、新作派を貫いたが、弟子たちの芸に関しては寛容。古典志向であった歌丸を認め、桂米助からヨネスケへの改名にも理解を示した。一方、師匠・今輔譲りの頑固さも持ち合わせ、席亭との意見対立で上野鈴本演芸場から撤退したのは芸協会長時代の84年だった。

 家電製品好きで有名で、ビデオカメラが趣味。弟子の稽古や初舞台などを撮影して貴重な資料になっている。出ばやしは「金比羅舟々」。92年紫綬褒章、98年勲四等旭日小綬章。

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