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【陸上・短距離】高野進氏 サニブラウン 夢の決勝進出へ200メートル19秒台に挑戦を

スポニチアネックス / 2024年8月6日 5時11分

<パリ五輪 陸上>男子100メートル準決勝、力走するサニブラウン(中央)(撮影・小海途 良幹)

 【斬る 高野進】五輪の舞台で自己ベストを出したサニブラウンは立派だ。過去に失敗の目立ったスタートも克服されていた。力としては十分に出せたと思う。ただスタートに意識を持ち過ぎたのか、中間疾走からの組み立てにつながらなかった。後半の残り30メートルで焦り始め、タイミングがずれた。

 並んで離されるとどうしても上半身が前に行き、間延びする。滞空時間が長くなればスピードの持続は難しい。確実に決勝に残るには9秒8台の力が必要だった。9秒97がベストだった彼の出来はあえて言うなら96点。残り4点を埋めれば9秒92ぐらいになるし、準決勝突破となる。

 個人的には今後、200メートルにも挑戦してほしい。200メートルを19秒台で走る力を付ければ100メートルの後半に生きる。元々、15年世界ユース選手権の200メートルでボルトの大会記録を破って注目された選手。日本記録を更新する力もある。今回、金メダルのライルズも200メートルが強い選手だ。決勝もスタートは良くなかったが、中盤から自信を持ってゴールで差した。

 9秒8台と19秒台を引っ提げれば世界ともがっぷり四つで戦える。あとはトップスピードと後半の失速を最低限にする走り方を身につけること。加速はうまくなった。次の課題にいっていいと思う。(男子400メートル前日本記録保持者、92年バルセロナ五輪8位、東海大体育学部教授)

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