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投げるだけじゃない 阪神・及川の身体能力に能見氏も太鼓判

スポニチアネックス / 2024年8月8日 8時3分

<ヤ・神>雨の中、球場から引き揚げる及川(撮影・大森 寛明)

 ◇セ・リーグ 阪神0―4ヤクルト(2024年8月7日 神宮)

 【畑野理之 談々畑】三塁ベンチから左翼フェンス沿いを、阪神・及川雅貴は雨にぬれながら歩いた。頭からかぶったタオルの下には、無念さがにじみ出た表情をしている。5回無死一、二塁で、落雷中断からのコールドゲーム。2つの味方失策に足を引っ張られた不運もあったが、4回0/3を4失点(自責2)で敗戦投手となった。

 前回7月31日の巨人戦で5回2失点に抑え、先発投手として初勝利を挙げた。このままローテーションに入って最後まで回っていってほしい。本紙評論家の能見篤史氏が後半戦のキーマンの一人に挙げており、その意味でもこの日の登板に注目していた。

 「及川とか、高橋遥人とかは大きな“戦力補強”ですよね。及川は下半身の使い方を一つ直せばもっと良くなると思うのですが…」。技術面での注文はあるが、投手コーチという立場ではないのでその先は発しなかったが、それでも期待は小さくはない。同じ左投げだから気になる。そして身体能力の高さをうらやましがる。

 「走るのが速いんですよ。走り方もいい。運動神経がいいし、ポテンシャルが相当、高い」

 能見氏の阪神最終年と、及川の入団1年目の2020年の1年だけ重なっている。能見氏はルーキーのダッシュや反復横跳びなどを見て、「いい動きするなあ」と話しかけている。

 その4年前のことを及川は記憶している。「鳴尾浜で一緒に走る機会があって、声をかけられました。その一度だけなんですが、能見さんがそんなことを覚えてくれていたのがうれしいです」

 及川は地元・千葉県匝瑳市の須賀小6年の時、100メートル走で地域の陸上大会に参加するほどの走力の持ち主。球技全般は得意で、水泳部にも所属したことがある。「一番、自信があったのは走り幅跳びです。逆にテニスはダメです。どっちでラケットを持てばいいのかもわからないですし、空振りばっかり」。

 バットを振る野球選手がテニスを苦手にするのは意外すぎるが、能見氏の言うようにスポーツ万能なのはわかった。次回の先発マウンドがあるのかないのかはわからないが、及川の秘めた才能が開花したところを見たい。

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