熊本工・伊東勤氏が甲子園をかけた伝説の県決勝で戦った八代の「エースで4番」
スポニチアネックス / 2024年8月8日 14時41分
西武、ロッテの監督を歴任した伊東勤氏(61)が自身のYouTube「110チャンネル【伊東勤】」を更新。伝説となった1980年夏の熊本大会決勝「熊本工―八代」を振り返った。
伊東氏は「今でも語り草になってるくらいの凄い試合だった」と切り出した。
試合は一度、途中で雨で流れた。「そのままやっていたら負けたなくらいの悪い流れだった」という八代有利の展開だったという。
迎えた仕切り直しの一戦。相手の「エースで4番」は、伊東氏がのちに西武で黄金時代を一緒に築くことになる秋山幸二氏。中盤まで白熱の投手戦が続いた。
均衡を破ったのは6回、秋山氏のホームランだった。
熊本工も伊東氏の2ランで逆転。八代もすぐ取り返し、逆転の連続。勝負を決めたのは、3―4で迎えた熊本工の9回の攻撃だった。
2死三塁で打席は伊東氏。相手ベンチから伝令が出て、敬遠された。「高校野球で敬遠ってあまりなかったが、ホームランが怖かったんだろうね」。一、三塁となり、2年生の4番打者は2ストライクと追い込まれた。
3球目が勝負の分かれ目となった。伊東氏はスタートを切って盗塁に成功。マウンドの秋山氏は「三振!」と思った。
伊東氏は「秋山本人は今でも最後のアウトローの真っ直ぐはストライクだったって言っている」と明かした。
渾身の直球をボール判定された秋山氏は、2死二、三塁から中前適時打を浴びるなど3点を失った。
6―4で熊本工が7度目の夏の甲子園出場を果たした。
伊東氏は「大会が始まる度に自分が出場したときを思い出す」と振り返った。2人の熊本球児はのちに指導者としても球界のレジェンドになる。
あれから44年後の夏、熊本工は3年ぶり23度目となる甲子園の聖地に立つ。
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