阪神・高橋 才木と2人で完全復活の願を掛けた神社 9日にも1軍合流し、9勝の右腕に続く

阪神・高橋

　◇セ・リーグ　阪神6ー3ヤクルト（2024年8月8日　神宮）

　遥人が1軍に帰ってくる。阪神の高橋遥人投手（28）が9日にも京セラドームで1軍本隊に合流し、11日の広島戦での先発に備える。登板すれば、巨人と対戦した21年11月6日のクライマックスシリーズ・ファーストS第1戦以来、1009日ぶりの1軍公式戦登板になる。

　21年から3年連続でトミー・ジョン手術を含む3度の手術と育成契約を経ての戦列復帰。高橋は7日に伸びた髪をカット、8日の鳴尾浜での練習では40球の最終チェックを行った。

　「緊張感もあるけど、今の自分の力を出して、しっかり試合を作りたい」と高橋はここまで左腕を支えた仲間、首脳陣、トレーナー、医師ら多くの関係者とファンへ感謝の気持ちを持ってマウンドに向かう。

　思い出す光景がある。最初に手術を受けた21年、才木と2人で願掛けをした岐阜の神社だ。同じくトミー・ジョン手術を受けた才木とは年齢は高橋が3年上だが、入団は1年違うだけ。しかも11月7日の誕生日が同じこともあり、リハビリ組として行動をともにすることが多かった。岐阜の治療院に2人で向かった後、立ち寄ったのが垂井町にある南宮大社。関ヶ原に近く「天下分目難関突破」という勝負事にご利益があるパワースポットだ。「覚えてますよ。僕から行こうと誘った。そのあと回転寿司にも行ったはず」と神前で手を合わせ、2人がマウンドに戻る日が来ることを願った。

　才木が先に戦列復帰を果たし、今季はここまで9勝と先発の柱となった。そして高橋がこれから続く番。左右の両輪が逆転Vのカギを握る。（鈴木　光）