【甲子園】明豊は2年連続初戦敗退 4度立った聖地に別れを告げた高木主将「最高の場所でした」

＜明豊・小松大谷＞試合に敗れた明豊ナイン（撮影・大城　有生希）

　◇第106回全国高校野球選手権大会第2日・１回戦　明豊4ー8小松大谷（2024年8月8日　甲子園）

　甲子園という最高のステージで無念の2年連続初戦敗退。2安打1打点、3出塁だった明豊の高木真心（しん、3年）は試合後、涙が止まらなかった。「チームが負けたことが一番悔しい」と泣き崩れた。

　持ち味は存分に発揮した。3点を追う初回無死一塁は捕手前のバント安打で出塁し、一挙3点につなげた。3―3の6回2死一、三塁は勝ち越しの右前適時打。「チャンスは自分のものだと思って打席に入った」と自信を持ってバットを振った。

　感謝の甲子園だった。5月に右手有鉤（ゆうこう）骨を骨折して手術。スイングを再開したのは大分大会が開幕する1週間前だった。練習の最後に川崎絢平監督が打撃投手を務めてくれた。1年夏から起用してきた指揮官は「高木が戻ってこないと、活躍しないとうちは勝てないと分かっていた」とボールに思いを込めたと。その成果を最高の場所で発揮した高木は「（監督に）ありがとうございましたと伝えたい」と思いを語った。

　度胸の良さは5歳の頃から4～5年ほど務めたキッズモデルの経験から。福岡でファッションショーに出たり、長崎のハウステンボスなどで撮られた写真が旅行系雑誌に載ることもあった。「けっこう恥ずかしがり屋だったので、それがなくなった。甲子園は最高の場所でした」。1年時から4度立った地に別れを告げた。

　（杉浦　友樹）