あの感動から6年 オリックス・吉田輝星が弟・大輝の金足農戦を現地観戦「9回の追い上げには…」

＜西日本短大付・金足農＞観戦するオリックス・吉田輝星（撮影・岸　良祐）

　◇第106回全国高校野球選手権大会第3日・1回戦　金足農4ー6西日本短大付（2024年8月9日　甲子園）

　マウンドで奮闘する姿に、6年前の自分を重ねていた。準優勝に輝いた2018年の「金農旋風」から6年。オリックス・吉田輝星が弟・大輝の初戦・西日本短大付戦を観戦するため、甲子園を訪れた。

　「スタンドから見る甲子園はすごく楽しかったです」

　同じユニホームに袖を通し、同じ「1」を背負う弟から、LINEで「見に来てね」とお願いされ、「がんばってね」の言葉とともに、約束を果たした。初回1点を失った後も、粘りの投球を続ける大輝の姿に、兄は頼もしげな視線を送る。5回に4失点…。7回5失点、初戦で敗れても、輝星は心からの拍手を送った。

　「試合には惜しくも敗れてしまいましたが、9回の追い上げには3年生たちの気合を感じましたし、大輝にはその姿を見て、これからも頑張ってほしいと思います」

　敗色濃厚の最終回に4点を奪った底力は、必ず2年生の大輝ら下級生の力になる。再び母校、そして弟が聖地を踏むことを信じ、輝星は球場を後にした。