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安楽宙斗、日本男子初の銀メダルもリードは「ダメダメな登り。完敗」 競技開始は父のダイエットがきっかけ

スポニチアネックス / 2024年8月9日 20時42分

<パリ五輪 スポーツクライミング男子複合決勝>銀メダルに終わり悔しげな安楽(撮影・小海途 良幹)

 ◇パリ五輪第14日 スポーツクライミング(2024年8月9日 ルブルジェ・スポーツクライミング会場)

 スポーツクライミング男子複合の決勝が行われ、17歳8カ月の安楽宙斗(そらと、17=JSOL)が145.4点で銀メダルを獲得した。21年東京大会から五輪種目に採用されたスポーツクライミングで男子日本勢のメダル獲得は初めて。東京大会の女子複合では野中生萌が銀、野口啓代が銅メダルを獲得していた。

 予選をトップ通過していた安楽は、決勝前半のボルダーは69.3点でトップ通過した。第1課題でただ1人、1回目の試技で完登する「一撃」を達成。各選手が苦戦した第2課題も4分の制限時間をギリギリまで使い、ラストの5回目で完登した。第3、4課題は完登を逃したが、第4課題の第2ゾーンに到達した時点でトップ通過を決めていた。後半のリードではボルダーで安楽に6.2点差の3位トビー・ロバーツ(19=英国)が92.1点をマークし、155.2点で首位に浮上。安楽は金メダル獲得に85.9点が必要なところ、80点のホールドを前に落下して76.1点にとどまった。

 ▼安楽 2位で表彰台に乗れたことは最低の目標だったんですけど、やっぱりボルダーでほぼ同点で、リードで勝った方が勝つという状況で、76(点)と96(点)で、もう圧倒的に負けたなという感じですね。

 去年の世界選手権より、今回はだいぶリラックスして登れたんですけど、ちょっとまだ分からないですけど、ボルダーでの疲労の切り替えとか、途中のパートでグラグラして、いつ落ちてもおかしくなくて、ダメダメな登りだったので。リードは完敗ということですね。

 表彰台に乗れたこと、3位以内に入れたことはとてもうれしいんですけど、やっぱり金を狙って、ボルダーから、準決勝から集中してこなしてきたので、今まで一生懸命やってきたんですけど、すごく悔しいです。

 「一番強い自分で五輪に臨もうとトレーニングをしてきた。五輪で、今までで一番強い自分を見せたい」。そう語る安楽が競技と出合ったのは、父・武志さん(42)がきっかけだった。学生時代にハンドボールをしていた武志さんは、社会人になってから体重が20キロ増加。一念発起して筋トレと食事制限などを始め、ダイエットに成功した。だが、筋トレとは別の方法で鍛えたいと思っていた時に、スポーツクライミングを発見。さらに調べてみると、自宅から徒歩3分の距離に「グリーンアロー ボルダリングパーク八千代店」(現在の店名)があることを知った。

 「一人で行くのが恥ずかしくて、小2だった宙斗を連れて行きました」と武志さん。すると、それまでスポーツはしていなかった息子がはまった。直後の夏休みは毎日、店に行って壁を登った。「運動ができるとは思っていなかった。できた喜び、達成感があったんじゃないかな」と語るのは、母・久美子さん(52)。大会にも出るようになり、力をつけていった。

 持ち味は、腕の長さを生かした登り。上背は1メートル68と大きくないが、身長と同等が標準とされるリーチは1メートル81を誇る。「日本の大会だったら、ほかの選手が遠いと思ったところでも、少し勢いをつけたら届いたりする」。高1からは本格的に筋トレも開始。シニアデビューした昨季は、いきなりW杯のボルダーとリードで年間王者に。アジア大陸予選優勝でパリ五輪出場を決め、ボルダー、リード、複合の全てで世界ランキング1位となって本番に臨んでいた。

 無駄な力を使わずに軽やかに登ることから、自身を「フワフワクライマー」と称する。最近では体幹や指の保持力の強化にも力を入れ「一番強い自分」に仕上げてきた”脱力系”が、パリの夢舞台で輝いた。

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