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広島・森 今季初登板で初勝利「カードの頭にいい流れ持ってこられた」最短14日マジック34点灯

スポニチアネックス / 2024年8月10日 5時47分

<神・広>力投する広島・森(撮影・大森 寛明)

 ◇セ・リーグ 広島6ー3阪神(2024年8月9日 京セラD)

 広島・森翔平投手(26)が9日、京セラドームで行われた阪神戦で今季初登板初先発し、待望の今季初勝利を挙げた。最速150キロの直球と変化球を制球良く操り、5回を3安打1失点(自責0)。打線も坂倉将吾捕手(26)がプロ初の5安打を放つなど、大量16安打で6点を奪って左腕を援護した。首位の座をがっちり守り、2位・巨人と2ゲーム差、3位・阪神とは3ゲーム差。最短で14日にマジック「34」が初点灯する。

 6年ぶりのリーグ制覇を目指す胸突き八丁の夏場に、出遅れていた左腕・森が底力を発揮した。3位・阪神との大事な3連戦初戦に今季初登板初先発し、5回79球を投げて3安打1失点(自責0)の好投。遅ればせながら今季初勝利を挙げ、満面に笑みを浮かべた。

 「率直にうれしいです。テンポ良くいけたかなと思うし、カードの頭に何とかいい流れを持ってこられたのでよかったです」

 宣言通り、初回からガンガン攻め、近本、中野、森下を12球で3者凡退。4回まで二塁を踏ませなかった。味方の失策が絡んだ5回1死一、二塁では近本に対して外角低めを4球続け、フォークで空振り三振。続く中野に適時二塁打を許しても、最後は森下を内角直球で左飛に斬った。

 3年目の今春は、沖縄キャンプまでアドゥワ、黒原らと開幕先発枠を争いながら、フォームを崩して無念の脱落。「イメージするスライダーを投げようとして」腕が横振りになり、直球の球威や切れにも悪影響があった。試行錯誤し「しっかり叩く」本来の縦振りに修正したことで安定。昇格にこぎつけた。

 「悔しかったです。でも、自分ではどうにもできない。いい状態に持っていけるように強い気持ちを持ち、黙ってやるべきことをやる。それだけでした」

 前夜には先輩右腕から背中を押された。「ついに来たね。明日頑張れよ…と。やってやろうと思いました」。森に連絡したのは大瀬良。巨人戦で敗戦投手になった直後。悔しさを押し殺し、後輩を励ましてくれる気持ちに応えたかった。

 2日の中日戦で5回を零封したベテラン・野村に続く、昇格組の好投。新井監督からは「期待通りの素晴らしいピッチングだった。ビジターだったからどうかなと思ったけど、堂々としていたね」と惜しみない賛辞が贈られた。

 「もっと投げさせてもらいたい。任されたところで良いパフォーマンスを出すしかないと思うので、いつ投げろと言われてもいいように、しっかり準備したいです」

 通算6勝目でセ5球団から白星を挙げた森。次回登板は未定だが、今季初登板でチーム内外に底力を見せつけた以上、登板機会は近いうちに必ずある。爪を研ぎながら、26歳はその時を待つ。(江尾 卓也)

 ◇森 翔平(もり・しょうへい)1998年(平10)1月1日生まれ、鳥取県出身の26歳。鳥取商では甲子園出場経験なし。関大、三菱重工神戸・高砂、三菱重工Westを経て21年ドラフト2位で広島入団。22年9月7日の中日戦でプロ初先発初勝利。昨季は12試合で4勝2敗、防御率4・53。1メートル77、82キロ。左投げ左打ち。

 ○…広島は最短で14日に優勝へのマジックが今季初点灯する。条件は広島が14日までの5試合を全勝して、現在2位の巨人が5試合全敗。この時点で2位の阪神を対象に「M34」が出る。

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