ブレイキン女王・AMI 親友のような姉・亜優さん現地で歓喜！姉妹で技磨いた「聖地」JR武蔵溝ノ口駅

姉の亜優（左）の存在を支えにパリ五輪出場を目指すブレイキン女子の湯浅亜実（湯浅亜優提供）

　◇パリ五輪第15日 ブレイキン （2024年8月9日　 コンコルド広場）

　9日に行われた今大会唯一の新競技で女子の湯浅亜実（25＝ダンサー名・AMI）が金メダルに輝いた。決勝で17歳のドミニカ・バネビッチ（リトアニア）に3―0で快勝。競技は28年ロサンゼルス五輪で実施されないため、最初で最後の女王になる可能性がある。福島あゆみ（41＝ダンサー名・AYUMI）は準々決勝で敗れた。この日のレスリングの2つを加え、日本勢が今大会で獲得した金メダルは計16個に。2004年アテネ大会に並び、海外開催の五輪では最多となった。

　AMIの姉・亜優さん（29＝ダンサー名・AYU）は現地で快挙を見守った。同じダンサーとして切磋琢磨（せっさたくま）してきた間柄。姉妹よりも親友に近い関係で、試合前日も一緒に過ごした。いつもの大会前よりリラックスしている様子だったことを明かし「亜実の良さが出ていた。良い踊りができて、それがジャッジに評価されて凄くよかった」と自分のことのように喜んだ。

　亜優さんが先に習っていたヒップホップダンスをAMIが始めたのは小学1年。ブレイキンには先に妹が出合い、姉は高校から本格的に始めた。練習場所は「聖地」として知られる川崎市のJR武蔵溝ノ口駅。埼玉県川口市の自宅から母親に送り迎えしてもらい、2人で技を磨いた。自宅の駐車場でも練習を重ね、一緒に大会に出るようになった。

　今は離れて暮らすが、毎日連絡を取り合い、たわいないやりとりをする。亜優さんは「私よりしっかり者だけど、緊張しやすい」という妹のため、対戦前に背中を叩いて送り出すこともある。「亜実がいなければダンスを続けていない。妹が一番近くにいるから楽しい」。今後も姉妹でダンスシーンを盛り上げていく。