【甲子園】木更津総合・山口 「楽しんで」生まれたダイビングキャッチ

＜神村学園・木更津総合＞2回、正林の打球を好捕する木更津総合・山口（撮影・亀井　直樹）

　◇第106回全国高校野球選手権大会第4日・１回戦　木更津総合5―8神村学園（2024年8月10日　甲子園）

　【光る君の光プレー】野球って、やっぱり楽しい。甲子園がそれを教えてくれた。木更津総合の左翼手・山口然（ぜん＝3年）は楽しんで超ファインプレーを演じてみせた。

　「初めての甲子園なので、楽しんで、ミスしても悔いなくやろうと思った。それであのプレーが生まれた」

　0―0の2回。相手の4番・正林の大飛球が左中間を襲う。右翼から左翼方向へ吹く浜風が追い風となり、さらに伸びてくる。一直線に追った山口は目を切り、打球の行方を予測。最後はダイビングキャッチでグラブに収めた。湧き起こる大拍手。「凄くうれしかった」。夢だった大舞台で味わう至福の瞬間だった。

　元は内野手。この冬に「生き残るため」外野転向を申し出た。公式戦出場は昨秋に代打で1試合だけ。それでもひたむきに外野練習を続け、今夏、背番号7で千葉大会から全試合出場した。実はこれが外野手として初めて試みたダイビングキャッチで、最後の打者となっても「悔いはないです。楽しかった」。

　野球は高校まででやめると決めている。ラストゲームを楽しく飾った超美技だった。（秋村　誠人）