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病床の父へ届ける銀メダル 近代五種・佐藤大宗「死ぬ気でやれ」教えを胸に日本勢初の快挙

スポニチアネックス / 2024年8月11日 5時47分

男子近代五種で銀メダルを獲得した佐藤大宗は表彰台で感涙する (AP)

 ◇パリ五輪第16日(2024年8月10日 ベルサイユ宮殿)

 男子決勝が行われ、佐藤大宗(たいしゅう、30=自衛隊)が銀メダルを獲得した。馬術、フェンシング、水泳、射撃、ランニングで争い「キング・オブ・スポーツ」と呼ばれる伝統競技で、日本勢初の表彰台となった。

 「死ぬ気で戦う」――。これが佐藤の信念だ。青森出身。父・勇蔵さん(70)のもとで厳しく育てられた。挨拶や礼儀には特にうるさく、小学生の時には雪が降りしきる中、半袖短パン姿で家から追い出されたこともあった。

 「生まれ変わったら絶対にこの家に生まれたくない」「高校生になったら仕返ししてやろう」――。そう思いながら生きてきた。だが、高校卒業後に海上自衛隊に入隊して近代五種を始めてから、苦しいときは父の姿を思い浮かべるようになった。「忘れたくても忘れられない存在。ここで逃げたらおやじに負けたことになる」。そんな父に小さい頃から言われ続けてきた言葉がある。「やるんだったら、死ぬ気でやれ」――。いつしかそれが競技を続けるモットーになった。

 勇蔵さんは今、青森県内の病院で闘病生活を送る。今年6月、佐藤は地元に帰省してパリ五輪代表に決まったことを報告した。面会できるのは30分間だけ。大きかった背中は小さくなった。「五輪に出るだけでも凄いよ」。にこにこ笑いながら褒めてくれた父に「何言ってんだよ。ここからだよ。俺も頑張るから、おやじも一緒に頑張ろう」と返した。

 競技に集中するため、妻・梢さん(33)や2歳の長女、生後9カ月の長男らが現地に来ることを固辞した。戦い抜いたパリの舞台。銀メダルを手に、家族や父の待つ日本へと帰国する。

 ◇佐藤 大宗(さとう・たいしゅう)1993年(平5)10月20日生まれ、青森県出身の30歳。中学と高校は水泳に打ち込み、青森山田高卒業後に海上自衛隊に入隊し、近代五種の選手としてスカウトされる。23年W杯ソフィア大会2位。大会で頑張った日のご褒美は「大食い系のYouTubeを見ながらお酒を飲むこと」。身長1メートル74、62キロ。

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