近代五種 日本勢初の表彰台も厳しい競技人口 次回から馬術に代わり「SASUKE」!?

男子近代五種で銀メダルを獲得した佐藤大宗は表彰台で感涙する　（AP）

　パリ五輪の近代五種男子決勝が10日に行われ、初出場の佐藤大宗（30＝自衛隊）が1542点で銀メダルを獲得した。

　五輪採用から112年を誇る「キング・オブ・スポーツ」と呼ばれる伝統競技で、男女通じて日本勢初の表彰台。馬術、フェンシング、水泳を終えて4位につけ、射撃とランニングを交互に行うレーザーランで順位を上げた。19歳から競技を始めた遅咲きが、競技発祥の地で快挙を成し遂げた。

　◆近代五種アラカルト

　【厳しい競技人口】欧州では王族、貴族のスポーツと呼ばれ、高い人気を誇るものの、競技人口は世界で約1万4500人。日本近代五種協会によると、国内の競技者は約50人で自衛隊や警察の関係者が大半。

　【成り立ち】古代五輪の5種競技をヒントに、近代五輪の父、クーベルタン男爵が発案。男爵は「スポーツの華」と称した。歴史と過酷さから「キング・オブ・スポーツ」と呼ばれる。男子は1912年ストックホルム五輪から正式種目となり、女子は00年シドニー五輪から実施。初期は1日1種目、計5日間にわたって実施された。

　【生き残りへ】人気低迷で五輪から除外される懸念に加え、馬のレンタルなどコスト面や、東京五輪でコーチが馬を殴るなどして批判が出たことを受け、次回ロサンゼルス五輪から馬術に代わって「オブスタクルスポーツ」と呼ばれる障害物レースが採用される。テスト大会では、TBSテレビの人気番組「SASUKE」のセットが使われた。