【パリ五輪事件簿】不可解判定、ズルーレット、国名誤アナウンス、水質問題、etc…いろいろありました
スポニチアネックス / 2024年8月12日 7時1分
日本は金メダル20、銀メダル12、銅メダル13のメダル計45個を獲得して幕を閉じたパリ五輪。選手たちのプレーが世界中に勇気や希望を与えた一方、競技での不可解判定や開会式での国名誤アナウンス、選手村の食事が不評など、運営面での問題が続出した五輪でもあった。
7月26日(日本時間27日)にセーヌ川で行われた開会式。韓国選手団が48番目に登場した際、会場のアナウンスが英語とフランス語で北朝鮮の正式名称「朝鮮民主主義人民共和国」と誤って紹介。IOCは「大韓民国(韓国の正式名称)選手団の紹介時に起きたミスに対し、深くおわびする」とSNSで陳謝。韓国のオリンピック委員会を兼ねる大韓体育会は27日、選手団名義の抗議文を大会組織委員会とIOCに送った。
演出面でもフランス革命でギロチンで処刑された王妃マリー・アントワネットを連想させる女性が生首を持つような演出、フランスで人気を博している男性歌手が全身青色で股間部分は飾りで隠しているだけの姿で登場するなど物議を醸した。
また、5色の輪が描かれた五輪旗が上下逆さまに掲揚された。船による選手入場の後トロカデロ庭園で軍関係者が五輪旗を掲揚も、この行事に携わったメンバーは誰も旗が逆さまになっていることに気付かず式はそのまま進行。この失態は海外メディアなどが報じ「歴史に残るしくじり」などとSNS上で話題になった。
選手村ではエアコンの不足、ベッドは100%リサイクル可能な段ボール製による硬さへの不満、食事は肉類や卵が慢性的に不足するなど世界各国の選手から不満の声が上がった。
競技では物議を醸す不可解な判定やミスなどが相次いだ。柔道男子60キロ級の準々決勝で永山竜樹が締め落とされて一本負け。対戦相手のフランシスコ・ガルリゴスは締め技で審判が“待て”のジェスチャーをしたものの、緩めなかった。判定後、永山は納得できずに約5分間も畳の上で滞留。古根川実コーチが審判団に抗議も、判定は覆らず、会場にはブーイングと指笛が鳴り響いた。
さらに混合団体の決勝では日本が地元フランスと対戦し、6人を終えても決着がつかず、ルーレットによる抽選で無作為に選ばれた階級区分の選手でゴールデンスコア方式による代表戦までもつれ込んだ。注目の代表戦は男子90キロ超級が選出され、斉藤立とフランスのレジェンドにして絶対王者のテディ・リネールとの対戦となり、一本負けして銀メダルだった。この抽選結果にネットでは「ズルーレットに負けた」「出来レースなの?」「興醒め」といったコメントがあふれる大荒れとなった。
男子バスケットボールでは日本代表が開催国フランスと対戦し、4点リードしていた第4Q残り16秒で河村勇輝が3Pシュートのチェックに行き、バスケットカウントを取られて追いつかれた。映像では接触があったか微妙で、この疑惑判定にバスケファンの不満が噴出した。
男子サッカーでは日本が準々決勝で優勝候補スペインと対戦した際に前半40分、FW細谷真大がゴールネットを揺らすも、VAR判定で直前のプレーで右足がオフサイドラインを数センチ超えていたとされ、オフサイドによって得点が認められなかった。
自転車・女子ケイリンでは敗者復活戦の4組で太田りゆが1着で準々決勝進出を決めたが、残り1周で鳴るはずの鐘が鳴らなかった。ゴールを過ぎても選手はスピードを落とさず、ゴール後に鐘が鳴り響いていた。
スケートボード女子ストリートで銅メダルを獲得したライッサ・レアウは本番前に大会組織の不手際による“被害”を受けた。トレーニング後、大会組織のバスが迎えに来るのを忘れたため、選手村(セーヌ=サン=ドニ県)までの距離、約15キロ以上をスケートボードで帰る羽目になった。
セーヌ川の水質も問題となった。フランスは五輪へ向けて約14億ユーロ(約2200億円)を投入して水質改善にあたったが、7月26、27日の降雨により水質が悪化。トライアスロンは28、29日の公式練習が中止され、30日に予定されていた男子が延期。31日に男女ともに開催されたが、競技後に男子のタイラー・ミスラウチュクが「合計10回嘔吐した」と米紙が報道。ただ、本人はそれが“暑さ”によるものだったのではないかと示唆している。
しかし、ベルギー女子代表のクレール・ミシェルが競技後に大腸菌に感染して数日間、入院していたと一部メディアで報じられている。また、8月6日セーヌ川で予定されていたオープンウオーターの公式練習が、水質の問題で中止となった。
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