【甲子園】青森山田 悲願の県勢初優勝へ快勝発進 エース・関、1失点無四球完投＆9得点

＜長野日大・青森山田＞　青森山田先発・関（撮影・大森　寛明）

　◇第106回全国高校野球選手権大会第7日・2回戦　青森山田9―1長野日大（2024年8月13日　甲子園）

　投打のかみ合う快勝で、青森勢初優勝に向けて初戦を突破した。

　青森大会5試合で53得点。聖地でも打線の破壊力を見せつけた。3回、相手失策と四球で2死満塁の好機をつかむと6番の橋場公祐主将（3年）が右前に先制の2点打。2死一、三塁から続く蝦名翔人（2年）が左越えに2点二塁打を放ち、この回4点を挙げた。

　勢いは止まらない。4回1死、1番・佐藤洸史郎（2年）が左翼ポール際に大会第2号となる本塁打を叩き込み、着実に加点。青森大会決勝戦・弘前学院聖愛戦でも殊勲の逆転満塁弾を放った不動のリードオフマンが力強く試合の流れを引き寄せた。7回には1死一塁から4本の長短打を集めて一挙4得点。集中打で勝負を決めた。

　エース・関浩一郎（3年）は序盤のリードを背に、自らの投球を貫いた。球威ある直球を軸に長野日大打線を封じた。直球は140キロ台中盤と、自己最速の152キロには及ばなかったが、球質の良さ、スライダーなど変化球との絶妙なコンビネーションで的を絞らせなかった。

　関は9回を104球で投げ抜き、無四球で1失点完投。7回に3安打を集められて1点を失い、完封こそ逃したが、安定感あふれる投球で1試合を投げ抜いた。

　投打がかみ合っての、聖地での7年ぶり勝利に兜森崇明監督も「ちょっと時間がかかりましたけど、甲子園で校歌を歌うことできて、うれしい気持ちです。思ったより選手が落ち着いていて、いつも通りやってくれたのが今日の結果になったと思います」と笑顔だった。

　今春の選抜大会では8強に進出。夏の大会でも1999年の8強が最高成績。投打でスキのない強さを見せるタレント軍団が、青森勢にとって悲願の頂点をつかみに行く。