渡辺九段 豊島九段とのA級順位戦で今期初勝利 藤井王位との王位戦第4局へ弾み

渡辺明九段

　将棋の藤井聡太名人（22）＝王将など7冠＝への挑戦権を争う第83期A級順位戦が15日、大阪・関西将棋会館で指され、渡辺明九段（40）が豊島将之九段（34）に122手で勝利した。終局は16日午前0時31分。A級は総勢10人が年度を通じて総当たりで9局ずつ指し、名人戦挑戦権を争う。順位3位の渡辺は1勝1敗、前期挑戦者で1位の豊島は2連敗スタートとなった。

　先後はあらかじめ豊島の先手に決まっており、戦型は相掛かりへ進んだ。豊島が横歩を取ったことで渡辺は角交換へ踏み込み、すぐさま飛車のいなくなった2筋へ角を打ち込んだ。馬に成った後、今度は逆サイドへ右銀を進出させて7、8筋の6段目に歩のバリケードを築いた。

　豊島飛車には成られたが83手目、飛車交換に成功。左右からの挟み撃ちで、豊島を投了へ追い込んだ。夕食休憩後、終盤に突入し、終局まで6時間という長い寄せ合いの熱戦を制した。

　渡辺は19日から、佐賀県唐津市で藤井に挑む第65期王位戦第4局に臨む。ここまで1勝2敗とリードを許すが、第4局は先手。順位戦で勢いを付け、さらに西へ進むことになった。