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白本彩奈 ベラルーシとのハーフ22歳 大女優へ体当たり 映画「箱男」でヌード初披露 謎の看護師役

スポニチアネックス / 2024年8月17日 5時1分

劇中で使用された段ボールの横でポーズを決める白本彩奈(撮影・尾崎 有希)

 女優の白本彩奈(22)が映画「箱男」(監督石井岳龍、23日公開)でヌードを初披露している。今年2月にドイツで開催されたベルリン国際映画祭で上映され、その演技は現地で高い評価を獲得した。3歳で子役としてデビューしてから約20年。白本が飛躍の時を迎えた。(前田 拓磨)

 白本は、段ボール箱を頭からかぶって生活している奇妙な主人公(永瀬正敏=58)らを誘惑する謎の看護師見習い役を演じた。ヌードを披露したのは、男の前で白衣姿から裸となるシーン。「自分の気持ちまで丸裸になった。そうなることで、役とより向き合うことができた」と振り返った。

 ヌードシーンを演じるにあたっては30本近くの作品を見て、立ち姿やポーズを研究。昭和の大作家である原作者、安部公房が生前に撮影した親しい女性のヌード写真も見て、役への理解を深めた。石井監督からは「今回の映画のテーマはアートと娯楽。表現はしなくていいから、役としてそこに立っていてほしい」と指示を受け、マンツーマンで役を作り上げた。

 ベラルーシ人の母を持つハーフで、日本語、英語、ロシア語を操る。1メートル70の長身と透明感にあふれた柔らかな表情を武器に、これまでさまざまな役を演じてきた。今作では200人近い候補者の中から、オーディションで抜てきされた。「全てが学びで、『箱男』を経験しなかったら今後怖いなと思うくらい」。役者人生を変える出合いとなった。

 メガホンを取ったのは、綾野剛(42)主演「パンク侍、斬られて候」(18年公開)などを手がけた石井監督。永瀬のほか、浅野忠信(50)、佐藤浩市(63)も出演する。ベテランの演技からは三者三様の発見があった。「浅野さんは毎度何が来るか分からない怖さがある。演技の目盛りを1から10に切り替える力が凄かった。逆に永瀬さんは演技目盛りの目がかなり細かくて、変化が繊細でした。佐藤さんからは視野の広さなどを学びました」。石井監督が「猛獣たち」と評した3人との共演が演技の引き出しを増やした。「繊細な芝居と心を宿すことができる女優になりたい」。今後も白本の中にはさまざまな技と経験が積み上がっていく。

 ≪原作は安部公房の小説 28年越しの映画化実現≫原作は安部が1973年に発表した同名小説。段ボール箱を頭からかぶり、のぞき窓から外の世界を見ている「箱男」たちの闘争を描く。97年に一度映画化が決定したものの、クランクイン前日に製作資金の都合により撮影が白紙となった。石井監督にとって28年越しの映画化実現となった。白本の起用理由については「本人の役の理解への共感、確かな演技力、クレバーな人間性と存在感の強さがある」と明かした。

 ◇白本 彩奈(しらもと・あやな)2002年(平14)5月14日生まれ、東京都出身の22歳。3歳で子役として芸能界入り。12年フジテレビ「最後から二番目の恋」でドラマデビュー。15年からはテレビ東京「おはスタ」でおはガールも務めた。17年にはAmazonプライム・ビデオ「仮面ライダーアマゾンズ・シーズン2」でヒロインのイユ役を務め、話題となった。

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